子供からの質問や、大人からバレエを始めた人から時々寄せられる悩みの1つにバレエの美しいターンアウトが自然にできないということ。
自然にできないというのは、レッスン中に自分の足元をみて確認したり、鏡越しに自分のアンディオールを確認しなくても、体にターンアウトが染みつくようになっていないとう意味です。
個々の脚の形や骨格、骨組みの可動域、筋肉の質によって、ターンアウトができる範囲が違ってくるというのはこのサイトでも時々お伝えしてます。また何も180度股関節が開いている骨格でなくても、美しいアンディオールは開くようになるということも知ってますよね?
ターンアウトをできるようになることは、ターンアウトをするための股関節周辺の筋肉の可動域を広げることになります。筋肉が伸び縮みできる柔らかい質でバレエのレッスンをすることで、股関節周辺の筋肉の可動域を広げることが十分可能になり、結果的にターンアウトが開くようになります。
このように股関節の可動域が狭いと悩む方は、ターンアウトをするための筋肉を筋トレのようにギュッと固めずに柔らかく伸びるようにレッスンで訓練する必要があります。
(残念ながら、フランスの本や(FNACやGilbertではバレエ学校で使っているテキストは売られていないんですよね・・)
それではターンアウトをするための股関節の可動域を広げる方法としてターンアウトをするための股関節周辺の可動域を広げる定義をしっかり最初に理解した後で、可動域が狭い原因を探り、実際にレッスンでターンアウトできるように可動域を広げるための方法についてわかりやすくイメージしていきましょう。
ターンアウトができない、股関節の可動域が狭い人の特徴
バレエダンサーを輩出しているフランスのバレエ学校で教わったことや、バレエダンサーのための解剖学の本や授業で学んだ時に股関節部位のターンアウトができない人の原因がいくつか載ってました。
バレエダンサーでもけっこうターンアウトができない箇所があって悩みますよね?
①股関節を力でターンアウトするため筋肉が固くなってしまい余計に開かない
筋肉が固くなってしまったら、自己流のストレッチで柔らかくしようとトライしてもけっこうできないことが多いです。また、力でターンアウトしようとするため筋肉が固くなり、結果、股関節周辺が痛みを生じます。
(私は股関節の組み合わせが浅いので可動域が広いためターンアウトも内股もできますが、日本のバレエのお教室では安易に股関節を力で開こうとレッスンしていたので、そのため股関節周囲の故障やケガ、痛みが多かったです。)
ターンアウトができるのに足をあげるとパラレルになってしまう
例えばバーレッスンで1番、2番、5番ポジションはラクに何も深く考えずにターンアウトができるのに、足を90度以上上げようとするとなかなかアンディオールで足をあげることができないっていう悩みがある人もいます。
また、足をあげるにしても、アラスゴンドやアラベスクはカンタンにターンアウトができるのに、ドゥバンの脚がアンディオールしにくいとか・・
人によってそれぞれアンディオールの悩みはつきませんよね。
バレエで股関節の可動域が広い方の悩み
もともとの骨格上、骨の可動域が広いと、それだけ外側にも内側にも関節が動いてしまう領域が人より広いため、ターンアウトが簡単にラクにできる人にも悩みはあります。
ターンアウトがやり明日い体というのは、股関節の場合を例にとると股関節の部位で重なっているお皿となっている骨同士のくみあわせが緩い。だから内股にも外側にも動きやすいので、アンディオールがカンタンに自然にできてしまうということなんです。
いいことなんですが、開きっぱなしということが生じて、筋肉のコントロールがききにくい。いつも踊りが一定に安定してできない。
もともと筋肉が強い人ならいいけれど弱い人は次のようななかなかバレエが上達しない原因につながります。
- 筋肉が柔らかくぐにょぐにょでしまりがない
- ピルエットの軸がぶれやすく回りにくい
- バレエのポジションがかなり動きやすく踊りにくいこと
アンディオールが生まれつき自然にできる人にも悩みはつきないものです。
ではターンアウトが自然に身についている人も、そうでない人も、踊りがコントールできるように股関節周辺の可動域を広げるにはどうしたらいいのでしょうか?本題に入っていきます。
股関節周辺の可動域を広げることはどういう意味?
股関節の可動域を広げるということは股関節が動く範囲を広げるという意味になります。ただし股関節は1つの骨の集合体なわけで、この骨を力で外側に広げようとすると最終的には骨が破壊されてしまいます。
バレエ解剖学的にお伝えすると、骨を動かすということは骨を包んでいる筋肉を動かすということになります。この筋肉が動く範囲が広くなることで、ターンアウトに広げやすくなるということが理解できます。
そのためここでは股関節の可動域を広げるということを、股関節周辺の筋肉が動く範囲を広げるという意味で考えていきます。
股関節可動域を広げるためのターンアウト改善方法①足元をみない
バレエのレッスンで自分の足元を見たり鏡で確認したりする生徒はいますよね?少しは必要でもありますが、これが癖になってしまうと、体の重心、つまりターンアウトをするためのまっすぐの体の軸が大幅に狂ってしまうため、十分注意しなければならないのですが・・
体の重心がぐらつくとどういうことになるでしょうか?
重心=軸がふらつき、倒れるのを防ごうとして筋肉が縮まり硬くなります。筋肉が固まってしまうと開けいて使えるはずのアンディオールに必要な股関節周辺の筋肉が固くなり、結果、ターンアウトがしづらくなります。
足元を見るときに必ず頭がまっすぐでなく、下に傾くでしょう?そうすると頭は重いので、体の向きがまっすぐでなく、頭の先が下に向かってしまう。
せっかく体がまっすぐに引きあげる訓練をしているのに・・・頭は重いのでこれではバランスをとったり、ピルエットをまわるための脚も尾から頭の先までまっすぐの体を作りあげることはできなくなってしまいますよ・・。
足元をみてターンアウトを確認するのは、レッスン中でなく、自習のときにでも動きをやめてちょとだけ確認したり、自撮りで動画で後で確認して、この動きの時にはターンアウトに注意する!っていう自分メモを作り上げていって、どういうときに自分のターンアウトに注意するか?って頭の片隅にでもいれておくと、「ここで自分のターンアウトに注意」するっていう意識ができてきます。
こうやって1つずつターンアウトができていない自分の箇所を探して1つずつ「ターンアウトができないパ」を意識的に注意してレッスンしていくと改善に効果的です。
股関節可動域を広げるためのターンアウト改善方法②股関節を力づくで広げない
バレエのレッスンでも股関節を広げることでターンアウトに力で開こうとするバレダンサーや、そういう教えをする先生たちがいらっしゃいます。
そもそもこれは間違いです。股関節を広げようとするってことは、自分の股関節、骨の組み合わせを壊そうする行為になります。それが進行するとどうなるか想像がつきますか?
すぐには骨の異常は見られないかもしれませんが、レッスンを何年も続け長い期間かけて骨を広げようとする行為は骨を変形させる恐れがあります。
つまり私自身のように股関節変形の原因を作ってしまうことも考えられます。
私がバレエ留学していたフランスの某コンセルヴァトワールでも、股関節を広げなさい!っていう教えはしていないし、バレエ学校で必修科目となっている「バレエダンサーのための解剖学」の授業でも股関節を広げることは教えていないです。
股関節周辺の筋肉の可動域を広げるための3つのポイント
股関節周辺の筋肉の可動域を広げるために3つのポイントがあります。
- 股関節周辺の筋肉、ターンアウトするための筋肉を動かす位置を具体的にしること
- 筋肉の質を柔らかくしより伸び縮み自在な柔らかい筋肉を作り出していくこと
- 筋力アップ:傷ついた筋肉が修復する十分な栄養素を摂取し筋肉の回復時間を十分にとること
股関節周辺の筋肉、ターンアウトするための筋肉を動かす位置
① ターンアウトするための股関節周辺の筋肉の具体的な位置やレッスンで繰り返しパや動きの中でその個所を意識的に使っていくことが必須になります。ターンアウトをさせる筋肉の可動域はこちらに詳しく公開されていますが、大腿骨~尾てい骨~仙骨周辺の体の中側の筋肉を意識することを常に心がけましょう。
② 股関節周辺の筋肉の可動域を広げるためのストレッチ
股関節周辺の筋肉の可動域を広げるためのストレッチはなんとなくレッスン前におこなっていることでは問題が解消されません。筋肉を傷めないストレッチのやり方、可動域を広げるために適切なストレッチ方法があります。
代表的なストレッチ方法として
ヨガの座位ポーズをやることで股関節周辺の筋肉がほぐれてきて、動く範囲が大きくなります。
ヨガの座位ポーズはたくさんありますが、もともと股関節が柔らかくターンアウトが難なくできるかたは、次の開脚ポーズで股関節~もものうしろ側の筋肉をゆるめる(リリース)しましょう。
いずれにしても股関節に痛みがある場合はすぐにこのストレッチ リリース方法はやめましょう。
大人で普段から体を動かしていなく股関節の可動域を広げるためのストレッチをしていない状態で急にこのような開脚のポーズを行ってしまうと、股関節に力が入ったり痛みがでてしまい筋肉を傷めつけることでケガの原因にもなりやすいためすぐにやめましょう。
開脚ストレッチで股関節に痛みがある場合は次のストレッチ方法で無理のない程度に時間と日数をかけて徐々に股関節周辺の筋肉が柔らかくなるように加減を考えましょう。
- 弓矢を引くポーズ
腕の力を使い片膝をかかえるため、股関節の筋肉への負担が少ないです。 - 半分開脚
脚は大きく開かなくても大丈夫なため股関節周辺の筋肉が固くなっている人は痛みがなくできます。また足の付け根に手を添えお尻を左右に揺らすことことからも手のサポートを借りられるため、股関節への負担がかなり少なく痛みがありません。
③ 筋力アップ
股関節周辺の筋肉の可動域を広げるためにストレッチをしているけど、バーやセンターレッスンで一行にターンアウトが思うように広がらないと感じる方もたくさんいらっしゃいます。
子どものバレエ教室の場合、カエルのポーズ等や開脚を先生が力を加えて半ば無理やりさせることもあるのですが、子どもの場合大人よりもまだ筋肉が柔らかいため多少無理をして痛みを感じてもやり続けてしまうことがあります。
大人の場合はそうはいきません。仕事他また年齢でも筋肉の弾力性は衰え硬くなっていきます。そのためストレッチのみではターンアウトの可動域は広がりにくいため、筋力をつける必要があります。
周辺の可動域を広げるのを妨げている筋肉に余計な重さの負担をかけないように上半身の引き上げをする筋肉を作り上げる必要があります。また筋肉を使うと細胞が壊れ傷つきます。
その傷ついた筋肉の細胞を復活させるときにより強い筋肉が作られます。筋肉を修復させるためのサポートは次の3つの方法を行うことでより短時間に強い筋肉が作られます。
- 筋肉修復のための栄養素やサプリメント タンパク質を摂取
- アロマオイルやCBDオイルで患部(筋肉)マッサージを行う
バレエでよりターンアウトするための股関節可動域を広げる方法のまとめ
自分のターンアウトができる骨格の構造を知るには、1人でやるのは危険です。専門知識がないのにバレエの経験と自己流による判断ミスが生じるからです。
一番いい方法は、先生や、バーアテール(フロアーバレエ)等の先生にアンディオールがどこまで開くか、力をかけずに開く可動域を教えてもらうことしっかりとワークショップやレッスンで教えてもらうといいですよ。
私自身はフランスの某コンセルヴァトワールで、バーアテールを教えてもらったため、自分のアンディオールがどのくらい開くのか感じることもできたし、視覚的にも理解できました。
そしてこのフロアーバーをやると、必要な筋肉がどの部位なのあが分かりやすい。重力が立っているときよりも床に寝ているときのほうが体に余計な負荷がかからないので。
フロアーバーで、余計な力を筋肉にも骨にもかけずに最小限の力で筋肉をほぐしながら(リリース)上下に力を伸ばしてあげる、筋肉を長く細く引っ張るイメージをフロアーバレエで習得できるとバレエでも生かすことができます。
筋肉や関節に痛みがあるときは、その個所をがんがんに動かさずにほぐしながらゆるめていくことが大切です。
楽にターンアストができる「自分の方向性」と筋肉の伸ばし方~リラックスする」ことを習得できれば、美しいターンアストも自然に癖づくことができますよ!痛みもなくね。
その部分をほぐして行く事が大切で、ターンアウトし続ければより開くというものではありません。とは言え、少しでも制御された部分がほぐれ始めたら、ターンアウトする時でもその”方向性”が分かってくるのです。
個々の能力や体の合う合わないもありますが、フロアーバー=バーアテールを続けると、筋肉を伸ばしてリラックスさせながらた美しいターンアウトが手に入るので、バレエノレッスンと並行してトライと継続が必要です。