バレエは小学生から始めると遅くないですか?3歳からスタートさせたほうがいいですか?とお問合せを多々頂いてます。そこで、スポーツ医学書等も参考にしながらお子様やご家庭の教育方針に合わせて何歳から始めればベターなのか?考えていきましょう♪
バレエを始めるのは小学生がベストな理由
結論から申し上げてしまうとバレエは小学生低学年で始めると、特に将来プロのバレリーナになるたいという目的がある場合、順調に体が対応していけることがわかっています。ただバレエをスタートさせる年齢に個人差もあります。またバレエを始める目的によっては年齢は関係ないということがわかっています。
プロのバレリーナになりたい、小学生がバレエを習うベスト時期な医学的根拠
運動神経を成長させる脳は小学生の間に発達するといわれています。この期間で段階別に少しずついろいろな動きのパターンを取り入れていくことで、運動能力の発達につながる脳の神経回路も成長することになります。
参考:深代千之著、子どもの学力と運「脳」神経を伸ばす魔法のドリル、2018年出版
そのため、小学生のうちにバレエを通していろいろなパを年齢や個々の子どもさんの能力レベルに応じて、簡単でシンプルなパから学び、動きに慣れ、小学生高学年になるほど基本のアンシェヌマンの動きを基礎に正確に沿って行うことで、中学生、高校生になった段階でより美しいバレエのフォームを取り入れた難しい技術をマスターできるようになります。
将来的にプロのバレリーナになるまでに長い年数が必要な理由がこうした運動神経成長の時期に関係していることがわかりました。
バレエを小学生前に始めることは必要?
バレエの先生によってはバレエは3歳から始めた方がいいとおっしゃる方もいらっしゃいます。果たしてこれは医学的にはどのような根拠があるのか?情報を開示します。
結果からいうと、小学生未満でバレエを始めることは絶対に必要ということではありません。バレエは単純な動きやアンディオールの基礎から得られる正しいフォームが自然に身につくには、長い時間と本人の理解度が必要になります。
3歳の幼い子どもさんよりも小学生高学年のほうが理解度も高いです。幼稚園児と比較するとバレエの基本ポジションを行う筋肉ができ始めているため小学生からバレエを始める子どもさんも十分上達する可能性があります。
3歳から始めても小学生のうちにバレエを初めてもレベル的に、上達度は変わりません。
ただ、運動神経能力が発達する小学生のより前に、運動神経を作る期間は医学的に3歳~6歳前後といわれています。そのため、この時期にバレエではなく、リトミックのような音楽に合わせて体のパーツをリズミカルに動かす習い事をすることで、小学生時に運動神経能力を発達させることが十分可能ということになります。
参考:深代千之著、子どもの学力と運「脳」神経を伸ばす魔法のドリル、2018年出版
小学生高学年時期にバレエの基本アンディオールをマスターしながら、シンプルな短いアンシェヌマンを覚えられる時期になります。同じパの反復と新しいパをビジュアルで見て体で感じながら身に着けることができる時期でもあります。のちに高度な2回転以上の回転系、ピルエットや、ジャンプ、バランス等を身につけることへの準備期間ともなります。
バレエを中学生から始めるのは遅い?
バレエを中学生から始める方からのご相談も多くあるため、ここで一つの回答を記したいと思います。
中学生からバレエを始める場合、目的によって可能なこととそうでないことがあるということは理解しておいたほうがいいでしょう。
上記で理解してきた通り、バレエの上達はアンディオールを基本ポジションと基本のシンプルなパを習得するための脳の神経、運動神経、体得はすでに小学生の時に基本的に完了すると医学では言われています。
そのため中学生以降の時期は小学生までに積み重ねて身に着けた基礎を使い、発表会、講習会や人によってはコンクール等に参加しながら応用ステップのアンシェヌマンを習得するトレーニング期間に適していることになります。
以上からもしバレリーナになりたいのであれば、基礎を習得しそのうえで難しいテクニックを習得するまでに時間がかかってしまうため、中学生から始めるのは遅すぎます。
バレエを小学生から習うもう一つの重要ポイント
バレエを小学生のうちに習うポイントとしてもう一つ日本のバレエ教室の事情があります。これも最近バレエのご相談、セカンドピニオンでご相談され改善方法を一緒に考えているなかで、一つの日本のバレエ教室の問題点が浮き彫りになっていることがわかりました。
以前からずっとあることなのですが、お教室や先生どうしの縄張り意識があることです。
- 先生同士が同じバレエ団やバレエ教室出身で先輩・後輩の関係
- 近くの地域にバレエ教室が極端に少なく、1つのバレエ教室が独占状態
例えば、自分のお教室でバレエを習っている子どもさんが他のお教室へ移動を考えていることがわかると、あからさまにその子どもさんに対して見向きもせず、声をかけることもせず、何も教えない先生もいらっしゃいます。
他のお教室へ行こうという考えに対する報復でしょう。
また、ワークショップ参加や海外のバレエ学校へ留学するのも反対する先生も多くいらっしゃいます。いつまでも自分のお教室でバレエを習っていただき、生活の保障もないアシスタントで終わっている関係者を何人もみてきてます。
もともとバレエ教室を選ぶ、移動を希望するにはそれなりの子どもさんの本人の意思があります。また保護者の方の考えもあります。それを無視し一方的に退会や移動を希望する生徒さんに報復することは人として問題があります。
このようなコミュニケーション能力が低い日本のバレエ教師による間違った「俺さま的」考えをもっていらっしゃるバレエ教室では、もしかしたら子どもさんは幸せではないかもしれません。
お教室を移動するためにも十分な準備とサポートが必要になります。そのためにも小学生の期間中に子どもさんやご家庭の方針に適するバレエ教室への移動を問題なくすませることが重要だと考えています。
バレエを小学生で始める、発表会のメリット
バレエ教室の規模や先生の考えにもよりますが、発表会での主役やいい役、ソリスト等、一人で踊れたり、目立つ役は年功順が優先で、その次にコンクールに入賞していたり、留学経験あったり、コンクールにも出てないし留学もしていないけど、バレエが美しく踊れる生徒さんに良い役が回ってきます。
小学生の時にバレエ教室を変わる子どもさんはまだそれでもほぼ年功序列で年齢が高くなるにつれ良い役が頂けるようになりやすいです。
ただ中学生以上で新しいお教室を変わったりする場合、当然先生としてはずっと自分のクラスに通ってくれている生徒さんを優先させて発表会の役をつける場合が大半です。
そのためお教室選びは小学生のうちにじっくりと子どもさんの気持ちをヒアリングしながら、同時にバレエを習う目的を話せて相談できるバレエ関係者と一緒に行なうことを極力お勧めいたします。
バレエを始める年齢は小学生がベストな理由まとめ
またバレエ的にもは骨の成長や筋力がつき、バレエに必要な筋肉も発達するときでもあります。中学生以降、かなり上達する子どもさんが増える時期でもあります。
このように中学生以降にバレエを初めてスタートさせる子どもさんと、小学生からバレエをすでに習い始めている子どもさんとに大きな上達度が違ってしまう医学的な原因になります。
ただし中学生以上の方がバレエを習い始めても上達しないということではありません。
バレエを始める年齢は人それぞれですが、もし将来的にプロのバレリーナになりたい、コンクールで上位入賞したい、海外の難関国公立バレエ学校へ留学したいという夢をお持ちでしたら、小学生の間にバレエを本格的に習うことを強くお勧めします。