ローザンヌ国際バレエコンクールの参加費用とは?
ローザンヌ国際バレエコンクールの費用計は次の表にまとめたとおりです。参考目安としてローザンヌ国際コンクールの準備をしていきましょう。
費用項目 | 費用の目安 |
---|---|
エントリー費用+ビデオ選考登録料 | 350スイスフラン(約56,000円) |
本選追加登録料 | 200スイスフラン(約32,000円) |
渡航費(往復航空券) | 20万円~30万円 |
滞在費(アパートメント1週間) | 約10万円 |
滞在費(ホテル1週間) | 約14万円(1泊2万円×7泊) |
食費・交通費(1週間) | 2万円~3万円 |
レッスン着・衣装代 | 5万円~10万円 |
海外旅行保険(1週間) | 5,000円~1万円 |
総額(本選進出の場合) | 50万円~100万円 |
合計費用 | 50万円~100万円 |
エントリー費用と支払い方法


ローザンヌ国際バレエコンクールに参加するには、まずエントリー費用がかかります。これはコンクールに応募するための基本的な費用で、2023年時点では175スイスフラン(約28,000円※1スイスフラン=160円換算)でした。支払いはクレジットカードのみ受け付けられており、銀行振込や現金払いはできません。
実際にエントリーは、公式サイトの登録フォームから申し込みをしました。手続き自体は簡単ですが、事前にクレジットカードの国際決済が可能か確認しておくと安心です。特に海外決済が制限されているカードの場合、エラーが出ることもあるので、親のカードを使う人は事前に設定を確認しておきましょう。
また、エントリー費用は返金不可なので、「やっぱりやめよう」と思っても戻ってきません。実際に申し込みをした後にケガをして参加できなくなった話を聞きましたが当然返金はされませんでした。エントリー前にしっかりと準備を整えておくことが大切です。
動画選考の登録料と必要な手続き
ローザンヌ国際バレエコンクールでは、まず動画選考を通過しないと本選に進めません。このビデオ選考に必要な登録料も175スイスフラン(約28,000円)で、エントリー時に一緒に支払います。つまり、エントリー費と合わせて合計350スイスフラン(約56,000円)が最初に必要になります。
ビデオ選考では、指定された課題を踊った動画を提出しなければなりません。大きなリノリウムの床のレンタルスタジオを確保して撮影しました。撮影には意外と数時間がかかるので、事前に何度か練習を重ねながら撮影するのがオススメです。
また、ビデオの提出方法も注意が必要です。公式サイトの専用フォームからデジタルデータで送付する形式なので、DVDやUSBメモリでの郵送は不可です。動画のファイル形式やサイズも指定があるため、事前にしっかりと確認しておくとスムーズに提出できます。


動画ファイルの形式を間違えてアップロードできず、締切ギリギリになってしまう生徒さんもいらっしゃいました。慣れていない方は、動画編集が得意な友人や先生に手伝ってもらうと良いと思います。
本選参加にかかる追加登録料
動画選考に通過すると、本選に参加するための追加登録料が発生します。この費用は200スイスフラン(約32,000円)で、こちらもクレジットカード決済のみ対応しています。支払い期限は決まっているので、期限内に手続きを済ませましょう。
本選に進む場合、登録料だけでなく、スイスへの渡航費や宿泊費もかかってきます。日本からスイスまでの航空券は往復で約20万円、ホテル代は1週間で15万円ほどでした。さらに、現地での食事や交通費を考えると、合計で50万円以上の費用がかかると思って準備しましょう。
本選では、事前に提出する健康診断書の準備も必要です。かかりつけの病院で診断を受け、医師のサインと印が入った書類を提出しなければなりません。診断書の発行費用は病院によって異なりますが、1万円前後はかかると思って費用を用意しましょう。健康診断の予約は混み合うことがあるので、早めにスケジュールを調整しておくのがポイントです。
ローザンヌ国際バレエコンクールの渡航・滞在費用
スイスへの渡航費用の目安
ローザンヌ国際バレエコンクールに参加するためには、日本からスイスまでの航空券が必要になります。私が参加した年は、航空券の価格が時期によって変動しており、エコノミークラスの往復チケットで約20万円ほどかかりました。直行便はなく、日本からスイスのチューリッヒ空港までのフライトは、ヨーロッパの主要都市(フランクフルトやパリ、ヘルシンキなど)を経由するのが一般的です。


フライトの予約はできるだけ早めに行うのがおすすめです。特にコンクールが開催される1月~2月は、スイスの観光シーズンと重なるため、年末年始を過ぎると航空券の価格が高騰することがあります。予約時には希望する便が満席になっていることもあります。
また、航空会社によっては荷物の預け入れ料金が別途かかる場合があるため、バレエの衣装や練習着を多く持ち込む場合は、追加の手荷物料金にも注意が必要です。他のヨーロッパの国のバレエ学校への長期留学のための渡航でしたが私はバレエシューズや衣装を機内持ち込みにし、荷物をできるだけ軽量化することで追加料金を節約しました。
現地での宿泊費とおすすめの滞在先
スイスの物価は非常に高いため、宿泊費も決して安くはありません。ローザンヌ国際バレエコンクールに参加する際、多くのダンサーが選ぶ宿泊先は、①ホテル、②アパートメント、③ホームステイの3つです。
私がお勧めするのは、アパートメントタイプの宿泊施設です。ホテルに比べて料金が抑えられ、キッチンが付いているため自炊が可能なのが魅力です。いつでも調理ができるのが便利です。1泊あたりの料金は約15,000円ほどでしたが、長期滞在割引があり、1週間の宿泊で合計約10万円程度に収まりました。
ホテルに泊まる場合は、治安の良さと交通の便を考えると1泊20,000円以上かかるところを選ぶのが一般的です。特に会場周辺のホテルは混雑しやすく、早めに予約しないと満室になってしまいます。


ホームステイを選ぶ人もいますが、慣れない環境での生活や食事の違いに戸惑うこともあるので、長期間の海外滞在に慣れていない場合は、アパートメントやホテルの方が安心かもしれません。
食費や交通費の概算
スイスは物価が高く、特に食費は日本と比べて割高です。レストランで食事をすると、普通のランチでも2,500円~3,500円程度かかります。コンクール期間中は、朝から晩まで練習やリハーサルがあるため、外食ばかりでは費用がかさみます。そのため、多くの参加者がアパートメントに宿泊し、自炊を取り入れています。
現地のスーパー(COOPやMIGROS)で食材を購入し、自炊をすることで食事の管理もできるし、コンクール滞在者にとってはベターだと実感しました。パスタやパン、サラダなどを自分で用意すれば、1日あたりの食費を2,000円以内に抑えることができます。スーパーで売られている総菜やサンドイッチは、日本のコンビニより少し高い程度なので、手軽に食事を済ませることも可能です。


交通費については、ローザンヌ市内の移動には公共交通機関(バス・トラム)を利用します。1週間の滞在で市内の公共交通パスを購入すると、約5,000円程度で移動ができます。ローザンヌは比較的コンパクトな街なので、徒歩で移動することも多く、交通費を大幅に節約することも可能です。
ローザンヌ国際バレエコンクールに参加するには、それなりの費用がかかりますが、工夫次第でコストを抑えることもできます。事前にしっかりと計画を立て、余裕を持った準備をすることが大切ですね。
ローザンヌ国際バレエコンクールの追加費用
レッスン着や衣装の準備費用
ローザンヌ国際バレエコンクールに参加するためには、普段のレッスンで使うものとは別に、専用のレッスン着や衣装を用意する必要があります。特に、動画選考の撮影用と本選用では、それぞれ異なる衣装を準備することが望ましいです。
動画選考用にはシンプルで色も黒、体のラインがしっかり見え、足が少しでも長くみえるハイレグ気味のレオタードを選ぶことをお勧めします。ブランドによって値段は異なりますが、プロ向けの高品質なものは1着8,000円~15,000円程度します。さらに、トウシューズやタイツも新品を用意するので、トータルで2万円以上かかるでしょう。


本選用には、課題によって適した衣装を揃える必要があります。例えば、バリエーションでは舞台映えする衣装が必要で、既製品でもオーダーだと5万円以上します。レンタルを利用する方法もありますが、自分の体にぴったり合うものを選ぶなら、新調するのが安心です。
また、リハーサルやクラスレッスンで着るレオタードやウォームアップウェアも多めに持っていく必要があります。ローザンヌは冬が寒いため、ウォームアップ用のジャケットやレッグウォーマーも必須です。私は現地で追加購入しましたが、スイスは物価が高いため、日本であらかじめ揃えておくのがおすすめです。
海外旅行保険の必要性と費用
ローザンヌ国際バレエコンクールに参加する際、海外旅行保険への加入は必須ではありませんが、絶対に入っておくべきです。私も、実際に現地でケガをした際に保険のおかげでスムーズに治療を受けることもできます。
バレエはケガのリスクが高い競技なので、特に本選に参加する場合は、しっかりとした補償内容の保険を選ぶことが重要です。私が加入したのは、治療費補償が充実したプランで、1週間の滞在で約1万円でした。一般的な海外旅行保険の相場は、短期滞在なら5,000円~1万5,000円程度ですが、バレエのようなスポーツ活動を含む場合は、追加の補償をつけるのがおすすめです。
ローザンヌで病院で診察を受ける場合スイスの医療費は非常に高く、診察だけで1万円以上かかることもありますが、保険に入っていたため後から請求できるため自己負担はゼロになります。もし保険に未加入だったら、高額な医療費を自腹で払うことになるのでやはり保険という安心を買うことをお勧めします。


また、盗難やフライトの遅延などのトラブルにも対応できる保険を選んでおくと安心です。ローザンヌは治安が良いですが、海外では何が起こるかわからないので、事前にしっかりと保険を検討しておくと良いでしょう。
ビザ申請の有無と費用
ローザンヌ国際バレエコンクールに参加するために、ビザが必要かどうかは滞在期間によって異なります。日本国籍の場合、観光目的でスイスに90日以内滞在する場合はビザ不要です。
本選出場のための短期滞在だったので、特にビザの申請は必要ありません。ただし、空港の入国審査では滞在目的を明確に説明できるよう、コンクールの招待状や宿泊先の予約確認書などを持参しました。知り合いのバレエダンサーの中には、入国時に滞在理由を詳しく聞かれた人もいたので、必要書類をしっかり用意しておくと安心です。
もし、コンクール後スイスやヨーロッパのバレエ学校に進学する場合や、90日以上滞在する場合は、学生ビザや長期滞在ビザの申請が必要になります。ビザ申請には、パスポートや入学許可証、滞在先の証明書、財政証明などが求められ、手続きには数万円の費用がかかることもあります。特にスイスは厳格な入国管理を行っているため、事前にしっかりと情報を確認し、余裕を持って申請することが大切です。


ローザンヌ国際バレエコンクール参加費用の節約方法
奨学金や助成金の活用方法
ローザンヌ国際バレエコンクールへの参加費用は決して安くはなく、多くのダンサーやその家族が資金調達の方法を模索しています。そんなときに役立つのが奨学金や助成金の活用です。
バレエスクールによっては、海外のコンクール参加費を補助する制度を設けているところもあります。スクールの先生に相談すると、意外な助成金情報を教えてもらえることもあるので、一度確認してみると良いでしょう。
さらに、ローザンヌ国際バレエコンクール自体が奨学金を提供している場合もあります。本選に進むと、才能あるダンサーには留学やトレーニングの機会が与えられ、場合によっては学費免除などのサポートを受けられることもあります。
宿泊費を抑えるための工夫
スイスは物価が高く、特にホテル代は大きな負担になります。ローザンヌ国際バレエコンクールに参加する際に、少しでも宿泊費を抑える工夫をすることが重要です。


キッチン付きのアパートメントタイプの宿泊施設はホテルに泊まるよりも安く、さらに自炊ができるため食費も節約できます。予約はAirbnbやBooking.comなどのサイトを利用し、早めに確保しましょう。実際、コンクールが近づくにつれて宿泊施設の空室が減り、料金もどんどん上がっていったので、参加が決まったらすぐに予約するのがポイントです。
もうひとつの選択肢として、他の参加者とシェアハウスやルームシェアをする方法もあります。これなら宿泊費が半額になるだけでなく、現地での生活にも安心感が生まれます。
また、ローザンヌの一部のバレエスクールでは、コンクール参加者向けに寮を提供していることがあります。スクールのネットワークを活用すれば、より低コストで滞在できる可能性があるので、事前に調べてみるのも良い方法です。
費用を抑えるための航空券予約のコツ
スイスまでの航空券代は、参加費用の中でも大きな割合を占めるため、できるだけ安く抑えたいところです。私が実践した航空券予約のコツを紹介します。
まず、航空券はとにかく早めに予約することが鉄則です。特に年末年始を過ぎると料金が上がるので、できれば半年前にはチェックを始め、3~4か月前には購入しておくと良いでしょう。
また、直行便ではなく、ヨーロッパの他の都市を経由する便を選ぶと、費用を抑えられることが多いです。例えば、日本からフランクフルトやパリ経由でチューリッヒに行き、そこから電車でローザンヌに移動すると、直行便より安くなることがあります。フランクフルト経由でチューリッヒに入り、電車でローザンヌまで移動しましたが、これだけで数万円の節約にもなります。
さらに、LCC(格安航空会社)を活用するのも手です。スイスまでの長距離便では難しいですが、ヨーロッパ内の移動でLCCを使えば、滞在費用を削減できます。例えば、ロンドンやパリを経由し、そこからLCCでスイスへ移動するプランを組むと、航空券代をさらに抑えられます。


加えて、航空券比較サイト(SkyscannerやGoogle Flights)を活用し、最安値のタイミングをチェックするのも重要です。毎日価格を確認し、価格が下がったタイミングで購入するとベターです。航空会社によっては早朝や深夜発の便が割安なこともあるので、時間帯を調整するのも節約のポイントです。
ローザンヌ国際バレエコンクールの費用まとめ
総額の目安と準備すべき金額
ローザンヌ国際バレエコンクールに参加するためには、エントリー費用だけでなく、渡航費や滞在費、レッスン着や衣装代など、さまざまな費用がかかります。実際に参加した経験から、全体の費用の目安をまとめると、大まかに50万円~100万円程度の予算が必要になります。


まず、最初にかかるのがエントリー費用とビデオ選考登録料です。これは合計で350スイスフラン(約56,000円)。これに加えて、本選に進む場合の追加登録料が200スイスフラン(約32,000円)必要になります。
次に、大きな出費となるのが渡航費です。日本からスイスへの往復航空券は、時期や経由地によって異なりますが、エコノミークラスで約20万円~30万円が相場です。直行便よりもヨーロッパの都市を経由する便のほうが安くなることが多いです。
滞在費も重要なポイントです。ホテルに宿泊すると1泊2万円以上かかることが多いため、私はアパートメントタイプの宿泊施設を利用し、1週間で約10万円に抑えました。また、食費や交通費も考慮しなければなりません。外食ばかりではかなりの出費になるため、自炊を取り入れることで1週間で2万円~3万円程度に抑えることができます。
さらに、レッスン着や衣装代も準備する必要があります。バリエーション用の衣装やレッスン着、トウシューズを新調すると、5万円~10万円ほどの出費になります。加えて、万が一のトラブルに備えて海外旅行保険にも加入する必要があり、これは1週間で5,000円~1万円程度が相場です。
こうした費用を合計すると、本選に進む場合の総額は最低でも50万円、多くの場合は70万円~100万円程度になります。資金計画をしっかり立てることが、安心してコンクールに臨むための鍵となります。
費用項目 | 費用の目安 |
---|---|
エントリー費用+ビデオ選考登録料 | 350スイスフラン(約56,000円) |
本選追加登録料 | 200スイスフラン(約32,000円) |
渡航費(往復航空券) | 20万円~30万円 |
滞在費(アパートメント1週間) | 約10万円 |
滞在費(ホテル1週間) | 約14万円(1泊2万円×7泊) |
食費・交通費(1週間) | 2万円~3万円 |
レッスン着・衣装代 | 5万円~10万円 |
海外旅行保険(1週間) | 5,000円~1万円 |
総額(本選進出の場合) | 50万円~100万円 |
合計費用 | 50万円~100万円 |
費用対効果を考えた参加のポイント
ローザンヌ国際バレエコンクールは、世界中の才能ある若手ダンサーが集まる場です。しかし、参加するには高額な費用がかかるため、費用対効果を考えることが大切です。


まず、このコンクールに参加する最大のメリットは、プロフェッショナルな指導者やバレエ団の関係者に直接アピールできる機会があることです。実際に、私の知り合いのダンサーは、本選で評価されてその場でスカラシップを獲得し、ヨーロッパの名門バレエ学校に進学しました。こうしたチャンスを得られることを考えれば、投資する価値は十分にあるといえます。
また、コンクールを通じて得られる経験や人脈も大きな財産です。私は参加を通じて、世界中のバレエ仲間と出会い、お互いに切磋琢磨する環境を経験しました。費用はかかりますが、このような貴重な経験はお金には代えられません。
ただし、全員が本選に進めるわけではないため、ビデオ選考の段階でどれだけクオリティの高いパフォーマンスを準備できるかが重要です。限られた費用の中で最大限の成果を上げるためには、費用をかけるべき部分と節約できる部分を見極めることが大切になります。
成功に向けた費用計画の立て方
ローザンヌ国際バレエコンクールに参加するためには、事前にしっかりとした費用計画を立てることが不可欠です。私は実際に参加する前に、何にどれくらいの費用がかかるのかをリストアップし、無駄な出費を減らす工夫をしました。
まず、渡航費や滞在費を抑えるために早めに予約することが大事です。航空券は早期予約割引を利用すれば、通常よりも数万円安くなることがあります。宿泊先も、コンクールの開催が近づくと予約が取りづらくなるため、参加が決まったらすぐに手配するのがベストです。
次に、奨学金や助成金の活用を検討しましょう。
さらに、必要なものを優先的に準備し、無駄な出費を避けることも大切です。例えば、レッスン着や衣装はすべて新品を揃えなくても、手持ちのものを活用したり、レンタルを利用することでコストを抑えられます。また、海外旅行保険も補償内容をよく確認し、自分に必要なプランを選ぶことで余計な出費を防げます。
最後に、家族やサポーターと相談し、無理のない資金計画を立てることが重要です。ローザンヌは確かに夢の舞台ですが、経済的に厳しい場合は、ほかの国際コンクールを検討するのも一つの選択肢です。ローザンヌに参加する前に国内のコンクールで経験を積み、結果的に本選進出への準備が整いました。