まず、2019年夏に行われたパリオペラ座バレエ学校最上級生が「パリオペラ座バレエ団」のオーディションを受けたときの結果からお伝えします。
2019年7月5日にパリ・オペラ座バレエ団の内部生の入団オーディションがありました。
パリ・オペラ座のバレエ学校生徒だけが受けられる入団内部試験なので、外国人の留学生は対象外になります。
この内部試験はフランス人の合格者ばかりですが、今年は例年になくたくさん合格者をだしました。
内部合格者は計6人。女性6人中2人合格、男性6人中4人合格
入団オーディションに落ちた人は6名。
ということはオペラ座の最上級生は12人だったことになります。
最上級生の半分がオペラ座に合格するなんてめったにありません。
オペラ座バレエ団内部オーディション合格者:
女性
- 1位 Bianca Scudamore
- 2位 Bleuenn Battistoni
男性:
- 1位 Alexandre Boccara
- 2位 Milo Avêque
- 3位 Samuel Bray
- 4位 Jack Gasztowtt
パリ・オペラ座バレエ学校の留学生がオペラ座の入団オーディションを受ける方法
パリ・オペラ座のバレエ学校への最上級クラスへの正規留学もとても厳しいセレクションがありますが、はれて卒業できてもオペラ座バレエ団へのオーディションはフランス人といっしょに受けることはできません。
外国人差別ではなく、これはフランスの国の政策の1つ。
フランス国内で失業率がハンパないので、外国人に職業を与えるよりもまずはフランス人優先という政策のためです。
そう、パリオペラ座バレエ団のオーディションは二通りあり、外国人は外部入団のオーディションをうけることになります。
パリオペラ座バレエ団オーディションには2通りの入団試験がある!
パリオペラ座バレエ団の入団試験
- 内部オーディション(オペラ座バレエ学校最上級生だけが受けられる入団試験)
- 外部オーディション(オペラ座バレエ学校以外に所属しているバレエ関係者のための入団試験)
パリオペラ座のバレエ団の入団試験は通常毎年、6月から7月中にかけて行われます。
これはオペラ座バレエ学校の最上級生の卒業試験が6月であるためです。
外国人がオペラ座のバレエ団のオーディションを受けるには、②の外部オーディションを受けることになります。
他のバレエ団のように、ディレクターがプライベートオーディションのお誘いをしたりということもありません。
必ずこの外部オーディションを受けて合格することが前提です。
この②の外部試験ですが、オペラ座バレエ学校に留学している外国人であれば、だれでもオーディションを受けるチャンスが与えられます。
オペラ座の最上級クラスへ留学できればこの外部オーディションを受けることもできます。
もちろんオペラ座バレエ学校へ留学しなくても外部オーディションの申し込みさせすればオーディションは受けることはできます。
オペラ座バレエ団の外部合格者の外国人
例えば、ちょっと情報はタイムリーではないですが、
2017年の結果は、女性2名だけが外部オーディションで合格しました。男性の合格者はいませんでした。
合格者のうちの一人が、韓国人の女性 Seo-Hoo Yun さん。
彼女はすでに2014年のヴァルナ国際コンクールで金賞をとっているすごいバレエダンサーです。すでにパリ・オペラ座で代役としてけが人が出たりしたときにオペラ座に出演していたので、今年は入団できてよかったね!って感じです。
もう一人の女性はオペラ座バレエ学校で内部オーディションに落ちてしまった女性が再トライして受かりました。
オペラ座バレエ学校のフランス人は、オペラ座のバレエ団の内部試験に不合格でも、外部試験を受けられるというメリットもあるんです。
オペラ座バレエ団外部入団オーディション結果
女性
- 1位 See-Hoo Yun
- 2位 Naïs Duboscq
なんといっても保守的なフランスですが、バレエやその他のダンスの才能のある外国人が採用されるのは嬉しい話ですね。
オペラ座バレエ団の入団試験をうけるには対策が必要
外国人がオペラ座のバレエ団を受けるオーディションは規定のバリエーションとフリーバリエーションの2つを踊る必要があります。
パリオペラ座バレエ団の入団試験
- 規定のバリエーション
- フリーバリエーション選択
①規定のバリエーションは、毎年フランスの国公立のバレエ学校とカンヌのロゼラハイタワーの最終学年の卒業試験と同じ規定のバリエーションで点数がきまります。
このバリエーションは毎年、フランス文部科学省から決定されるバリエーションの動画が発表されるので、それを事前によ~く練習しておくことが必要。
アンシェヌマンをバリエーションにした形式です。
例えばこちら→2019年ー2020年の規定バリエーションです。
オペラ座バレエ学校の卒業とその後の進路
有名なパリ・オペラ座バレエ学校ですが、必ずしも全ての最上級生の生徒がバレエ団へ受かるということはどこにも保障されていません。それだけ厳しい世界なのですが、やはり世界に名だたるバレエ学校。
オペラ座バレエ団のオーディション時期自体が他のバレエ団のオーディション時期と約半年あとにずれているため、ほとんどのバレエ団では来シーズンのダンサーは確保している状態。そういう状況でどうするんだろうか?
と思っていましたが、やはり世界に名だたるバレエ学校は違います。
オペラ座バレエ学校の学校長、イザベル・プラテルさんがドキュメンタリーで話していた通り、学校長自らオペラ座バレエ団に受からなかった生徒と面談を一人ずつして、次の就職先へ送り出すことをしています。
例えばオペラ座バレエ学校スタイルを推奨していたベジャールさんは、オペラ座入団できなかった生徒に対してベジャールバレエ団の研修生として、またはプライベートオーディションのチャンスを与えてバレエ団へ合格したり。
バレエ学校やバレエ団同士の強い組織の繫がりがすでにできあがっているので、そういったアフターケアもバレエ学校の校長自ら身を乗り出して生徒を送り出していたんです。
オペラ座ならではの生徒に対する愛をたくさん感じますよね。
これはオペラ座に限らず、個人的に私自身の出身のコンセルヴァトワールでも何とか生徒のバレエ団の就職先を最終的に校長自ら責任をもって探してくれました。本当に感謝で胸がいっぱいです。
もしパリオペラ座バレエ学校のサマースクールや長期留学を考えているのだったら、登録方法の手続き等があるのでご連絡くださればできる限り早くご連絡いたします。
この記事の下の「コメント」、ツイッターへ登録後、DMでお問合せをお願いいたします^^。その際、御問い合わせ内容に十分こたえられるようにお名前と内容を正しくお願いいたします。
ツイッター https://twitter.com/danserfrance
ツイッター名 @danserfrance