バレエ留学は昔と違って今はコンクールの入賞として海外のバレエ学校に留学できたり、サマースクールに参加できたり。
私費留学でも費用をかければある程度バレエが踊れれば誰でも留学ができる時代になりました。バレエが好きな人にとっては依然と比べると留学の敷居が低くなってるのは嬉しいですよね?
ただし、バレエ留学する前に目的に応じた学校選びはとっても慎重にするべきです。
今回はご相談を頂いた保護者と生徒さんの中から、実際にバレエ留学後に考えられる進路について話を進めていきます。
留学準備の段階で十分留意していきましょう。
バレエ留学後を考えて学校選びをしてますか?


バレエ留学するときの大切なポイントは目的は何か?似つきます。
- 海外・日本のバレエ団でバレリーナになる
- バレエの先生のための経験をつむ、教師過程を取得する
- バレエができる大学の学士を取得する
多くの場合、バレリーナになりたい人が多いと思います。でもヨーロッパだと、バレエの先生になるためのディプロムもとれるので、これからバレエを教えたい人やすでに教えている人は自分のステイタスを上げるためにも取得するといいですね。
バレエ留学の学校選びのポイント
バレエ留学する場合、留学そのものも目的ですがその後の目的が何なのか?
その最終目標に基づいて留学準備をしていくことが必須になってきます。
- 留学先の国選び
- 私立の有名なバレエ学校を選ぶのか?
- 国公立のバレエ学校?
- 職業訓練(バレエやダンス関係の先生になるための)のバレエ専門学校
- 大学の学士がとれるバレエコースを選ぶのか?
- 留学費用
自分が将来やりたいことを考えて学校選びは慎重に留学する国や学校の種類を決めるために情報集めが必要になります。
バレエ留学費用も準備段階で考えましょう


バレエ留学費用についても重要事項になります。一般的に年間少なくとも生活費と授業料込みで250万~300万がヨーロッパのバレエ学校では必要になります。
こちらの留学費用情報でも詳しく述べていますが、私立より国公立のほうが当然留学費用は安くなります。
ヨーロッパですとドイツやフランスのバレエ学校の授業料は安いです。


ただしロシアのように外国人留学生の国籍によって学費がかなり違うバレエ学校も多いので事前の情報集めが必要になります。
イギリスのロイヤル・バレエ・スクールやロシアの外国人クラスがあるボリショイ・バレエ学校の外国人クラスの、ニューヨークのバレエ学校は年間300万円以上の費用を準備することになります。
フランスのバレエ学校の学費は無料!


イギリスの国公立のバレエ学校と違ってフランスの国公立のバレエ学校は授業料は税金なので学費はタダ。在籍登録料が約数万円かかるだけ。
フランスのトゥールーズのコンセルヴァトワールにいた時の学費はフランス人と同じくタダでした。
在籍登録料が当時40,000円ほどでした。
フランスのバレエ学校の登録料って何?
フランスのバレエ学校の登録料は外国人とフランス人では若干費用が違うけど、外国人である自分でも当時留学した時4万円弱でした。
毎年この登録料は改定されるので、若干費用が上がるお気もありましたけど、だいたい3万~4万円前後でした。
この登録料の詳細は・・・。フランスの場合、そのバレエ学校のある地方によっても若干違うけど、生徒にとっていろいろ公共のサポートが受けれるのでメリットがあります!
例えば、
- 図書館の使用料
- 音楽専門の図書館使用料
- CROUS(学生寮や学生向けのアパート情報や手続き、学生向けの旅行や宿泊を予約してくれるところ他)
- 学食の利用
etc…
フランスだと24歳以下までは学生としていろいろ安い公共サービスが受けられるサービスがあるのでこれは便利です。


特に私が住んでいたトゥールーズには音楽専門の図書館があって、ここでバレエ関係の音楽資料やCDはもちろん、創作や振付のための音楽探しのために重宝できた図書館です。
日本でもこういう音楽の図書館があればいいのにな~って感じる。
そのための年間登録料なので安いな~と実感してます。
このようにバレエ学校によっていろいろ特徴があるので、バレエ留学をするときにはやはり将来何になりたいか?考えて国や学校選びが必要です!
バレエ学校卒業しても全ての生徒がプロのバレリーナになれるわけではない


海外のバレエ学校は職業訓練専門学校として認知されています。
バレエダンサーやバレエの先生になることが目的の人たちが集まってくる。
そのためにクラス内容は盛りだくさん。
例えばフランスの国公立のバレエ学校年末~2月ごろにかけてスクールの発表会があります。
各学年でクラスコンサートのような感じ。
その中でも日本人は本当に普段から真面目過ぎるほどレッスンに取り組んでいて、テクニック的にも申し分ない留学生が多いです。
学校の発表会ではいい役につけたり、ヴァリエーションを踊れることになったりします。
卒業試験では日本人もトップの成績で卒業する人が多数。
でも卒業試験の結果とバレエ団に受かる確率は関係ない。
海外のバレエカンパニーのにことごとく不合格になっていくダンサーを知っていくと落ち込んでしまう。
私自身も24歳で特例を使ってフランスのコンセルヴァトワールに入りましたが、卒業するときにオーディションを受けて11個中10個落ちたときはどん底でした。
バレエ学校の出身でもすべての生徒がプロのバレエダンサーになれる保証はないってことを痛感しました。
仮にバレエ団に受かったとしても年間契約のバレエ団が多く、重要なポジションについているプリンシパルやソリスト以外は自動更新でなく、そのまま次年度は切られてしまうこともよくあります。
そんな状況なので、海外のバレエ団に見切りをつけて日本のバレエ団のオーディションなら受かると高をくくっている留学生にも出会ったことはありました。
バレエ留学その後、日本のバレリーナやセミプロの実態


東京の某オープンクラスにでると、結局海外のバレエ学校に留学していて(中には短期留学や、卒業ディプロムを取得していない私立でレベルの低いバレエ学校へ私費留学している人もいます。)、海外で残ることもできず、日本のバレエ団に受かるほどの実力でもない・・・そんな人たちが多く受けています。
こういう人たちが一番中途半端な状態。多少辛口ですが・・
中にはセミプロとよばれる日本のバレエ界独の呼び方で言われている人たちです。
でもよく考えると多くは、バイトしながら子どものころから好きで続けてきたバレエのプロにはなれなくて、それでも夢をあきらめきれなく、自分の実力を現実的に直視できない人たちです。
社会的身分は「セミプロ」でなく「フリーター」。
仕事をしていなければ社会的に無職です。
ここで実際にバレエ留学した経験のある生徒さんがその後そうなっているのか?そういった情報を集めてみました。
バレエ留学、その後の情報まとめ
ドイツのバレエ学校を卒業してもバレエ団オーディションに一つも合格しなかった
ドイツのバレエ学校へ留学した娘さんのその後の状況です。
一時日本へ帰国し1年後にドイツにオーディションのためにオーディションツアーを行ったかたです。
うちの娘の場合。
帰国前の一時期は、もうバレエを辞めてもいいかも…と思ったりもしたらしい。
ところが意外にも先生の反応は、オーディションに受からないというのは”普通のこと”、元々ダンサーというのは一生続けられる職業ではないから他のことを勉強するというのももちろんいいことだ、けれども、しばらくは踊ることと並行してやっていくのはどうかしら、という風なことを言われたらしい。つまり、今すぐ踊ることを辞めてしまうのは残念だと。そうは言われてもなぁ、と曖昧な気持ちのままベルリンに向かった娘は、そこでクタクタになるほどレッスンを受けて、やっぱりもう少し頑張ってみようかな、と思ったらしい。
ということで、帰国後は週4〜5日、オープンクラスでレッスンを受けています。そして年明けを目処に再びヨーロッパに行き、いくつかオーディションを受ける計画をたてている様子です。
https://plaza.rakuten.co.jp/zenikonoie/diary/201612110000/
その後どうなったかというと、クラシックバレエではなくタンゴのワークショップのアシスタント<アペレンティス>として就業ビザがとれ、その様子が書かれています。
アメリカの小さなバレエ団の研修生としてプロのバレリーナへ
アメリカでの就業ビザを取得するのはかなり厳しいとききますが、ARBの時の学生ビザのインターン制度を利用して活躍している岩松乃映さんの留学その後の情報です。
セントラル・スクール・オブ・バレエのサマースクール中に長期留学を希望され、卒業後アメリカにプロ活動として飛び立ったバレリーナです。
カナダとアメリカにカンパニークラスやオーディションを受けに行きました。
結果はビザや単なる実力不足でダメでした・・オハイオ州にある小さなバレエカンパニーでアパレンティスとして働かせていただいています。
https://thewells.co.jp/blog/12329
このカンパニーでは、コンテンポラリーとバレエを扱っていて、
色々なフェスティバルや公演にツアーして参加したりしています。(年に一度国外公演も!)
東京シティバレエ団の竹嶋梨沙さんの遅れたバレエ留学とその後
東京シティバレエ団の竹嶋梨沙さんですが、バレエ留学が遅く19歳の時にオーストラリアにバレエを学びに行かれました。その後ドイツのバレエ団へ研修生として働き、東京シティバレエ団で活躍されていらっしゃいます。
バレエ留学後帰国しバレエ団オーディションを準備
バレエ留学後、オーディションに合格しない場合一旦日本へ帰国し、アルバイトをしながら渡航費用を貯めて1年後にオーディションツアーを実行している方たちもいらっしゃいます。
オーディションとなると1か月~3か月の中期滞在となるため、生活費・渡航代・住居費等の費用がまたかかります。また定職にも就けないためアルバイトとバレエのレッスンの日々で実際に渡航費用を貯めるのはかなり大変なことと察します。
娘がヨーロッパで職にありつけず、一時帰国しています。
本人は来年のオーディションラッシュにリベンジでオーディションを受けに行く予定にしていますが、その前に、プライベートでオーディションをしてくれそうなカンパニーを探して、少しずつでも消化していった方がいいのではないかと思い、世界中のカンパニーにプライベートオーディションを交渉してくれる方に御願いして、今年中にいくつかは受験させたいと思っています。
11月に稽古場の公演が終わったら、ドイツのアウグスブルグで知り合いのダンサーが親御さんの跡をついでバレエ学校(プライベート)をやっているので、そこの生徒さんの家にホームステイさせてもらって、ドイツを拠点にオーディションを受けて回るそうです。
mixiより
娘が50か所にDVDをばらまいて、10か所目のバレエ団のオーディションを受けてやっと、就職が決まりました。
mixiより
東欧の国立バレエ団ですが薄給のようです。
まとめ バレエ留学とその後、将来を考える
バイトしながらバレエを続ける。20代前半ならまだやり直しはつきます。
こういう生活もいいのかもしれない。
だけど30代以上になったらいつまでもバイトしているわけにはいかなくなってきます。
今は人手不足と言われている時代で、職はバレエにこだわらなかったらいろいろあります。が、経験を求められます。
年が1歳立つほど、大学生活をして就職活動していない時期が長いほどそこをつつかれて企業でも正社員にはなれないことも多い。
まだ早いですが20代後半、30代、40代以上になってしまうと、ちゃんとした収入を得る仕事につくのもむつかしくなってしまいます。
結婚を考えたときに、一般の人からまともに大学もでていない、高卒、もしくは最終学歴は中卒なんてことになったら結婚条件として拒否されてしまうこともあります。
プロのバレリーナでさえ日本の社会的な風潮からは生き残っていく、仕事を継続していくのは難しい状況なんです。
プロのバレエダンサーになるために努力してがんばるのは応援していますがそれ以外の生き方もあるということを柔軟に受け入れられるようになることも大切です。