バレエのコンクールや発表会、バレエ団の演目のジゼルの中の1幕ソリストの踊りとしてペザントバリエーションがあります。このバリエーションについて演目を選ぶうえで、またはバレエ団の公演を観劇する前に少し知識をしっておくとバレエがより楽しめます。
バレエのペザントのバリエーションとは?
バレエのペザントの由来
バレエのペザントの踊りはジゼルの演目の中で、第1幕で披露されるソリストの踊りになります。
ぺザントとは,、フランス語でpaysan、農民である村人という意味になります。ジゼル1幕の踊りの中では、秋の葡萄の収穫祭を祝って村人たちが神へ収穫の感謝を伝える踊りになります。
ジゼル Giselleの作品
初演のジゼル役はC・グリジ、当時パリ・オペラ座のエトワールでパドカトルでも大絶賛された名バレリーナ。
ペザントバリエーションの難易度
バレエのコンクールや発表会でよく選ばれるバリエーションの一つ、ペザントのバリエーションになります。難易度的に必ずしもすべてのバレエを習っている人に当てはまることはありませんが、比較的踊りやすく、簡単なバリエーションの一つとして認識されていることが多いです。
ただし、簡単だからコンクールに入賞しやすいといったことはありません。またジゼル1幕のソリストの踊りでもあるため、バレエを習い始めたばかりの生徒さんがすぐに踊れるバリエーションではないことは理解しておきましょう。
ペザントバリエーションの曲
ペザントの曲は実は2人の作曲家によってつくられたため、バリエーションの曲も2つあります。
ジゼルの初演時に作られたオリジナルの曲は、アドルフ・アダン氏によるもので、1841年フランス初演となります。のちに、ヨハン・ブルグミュラーによりSouvenir de Ratisbonne レーゲンスブルクの思い出と呼ばれる曲の中からワルツ1曲、ジゼルと友人たちの踊り5曲分が、のちにジゼル第1幕の ペザントのパ・ド・ドゥで踊る曲で構成されるようになりました。
そのためペザントのヴァリエーションにはアダン編とブルグミュラー編がある由縁です。(参照:wikipedia)
例えばローザンヌ・バレエコンクールでは開催年によってペザントのバリエーションのバージョンに違いがあります。
ペザントバリエーションの種類
バレエの代表的な演目ジゼル一幕のソリストによる踊り、ペザントのバリエーションの曲は実は3種類あるって知ってますか?コンクールごとにどのバージョンを踊るか、課題曲が決まっている場合もあります。
ローザンヌコンクールでは年度により次の1,2のバリエーションが課題曲に指定されています。
- アドルフ・アダン作曲(ジゼル本来の作曲家)バージョンのペザントのバリエーション⇒
- ヨハン・ブルグミュラーバージョンのペザントバリエーション⇒
通常の日本のコンクールでは2つ目のブルグミュラーのバリエーションが主流の演目になっていることが多いです。
逆にバレエ団の演目ではもともとアダンによって作曲されたジゼル本来の曲が使われることが主流となっています。
ペザントのバリエーション、ローザンヌバレエコンクール
ローザンヌコンクールでの課題曲バリエーションの一つにペザントがあります。気になるyoutubeローザンヌでは動画をまとめてみました。
ローザンヌでは出場者は年齢別に次の2つのカテゴリ―に分かれていて、それぞれ課題曲のバリエーションが異なります。
ローザンヌバレエコンクール年齢別カテゴリー
- 15歳~16歳
- 17歳~18歳
そのため、若い15~16歳のグループではどちらかというと比較的優しいバリエーションが選ばれています。ペザントバリエーションは若いグループの演目に選ばれています。
ただし、踊りこなすレベル、上位入賞する高いレベルを目指すのであれば簡単なバリエーションではないことは確かです。
ペザントバリエーション①ローザンヌコンクール
ペザントバリエーション②ローザンヌコンクール
ローザンヌコンクールではペザントバリエーションを選ぶ出場者は、アダンバージョンでもブルグミュラーバージョンの曲でも他のバリエーションと比較し選ぶ生徒さんは少ないことがわかりました。
やはり上位入賞するためにポイントの高いテクニックが入っているバリエーションを好むのでしょうか?
ペザントバリエーションのコツ
ペザントバリエーションをプロのバレリーナのように踊るためにいくつかのコツをお伝えしていきます。コンクールでもここができると高得点も狙える箇所を盛り込んでます。
初めてバリエーションを踊る方にとって、難しいパもありますが、バリエーションを踊るにあたって最初に踊ることが多いバリエーションの一つです💛
舞台にでて舞台中央にポーズ
https://youtube.com/clip/UgkxQa2eCEBnCPmg7M9l3ZCXX7Wc9k33MqIo
舞台に出ていくときは、当たり前ですけど腰を引き上げ、かかとは床につかないように、腰部位の筋肉からアンディオールしてつま先が最終的に外側を向くように小走りしてポーズ
ポーズからアチチュード、プリエ
https://youtube.com/clip/Ugkxh7jmie0xZQrvvsBYvLdzSnJZ1SoOG6-Q
- 足はアンディオールしていることを前提に、5番ポジションを通ってアチチュード
- アチチュードの足首は伸ばすが力を入れすぎないように!(力を入れすぎて伸ばしたために足首が内股になります)
- アームスは真横に広げすぎなく、斜め前に出します
- アチチュードプリエががたつかないように、軸足はドゥミを通ってプリエしましょう。上半身は上に伸びながらプリエをゆっくりするとバランスを取りながらプリエができるようになります
ジャンプ~アラベスク着地~5番ポワント立ち
https://youtube.com/clip/UgkxeXqtrK10MNK6lI3osaeRzge28y6t2tJq
- 5番アンディオール、深いプリエからジャンプしアラベスクの着地。
- 着地のアラベスクではプリエが固くならないように、上半身の筋肉を上方向へ伸ばしながらプリエを深くしましょう。
- 5番のポワントは両足をなるべくクロスし、アンディオールしながら5番ポジションをしましょう
グリサード~グランジャンプ
https://youtube.com/clip/UgkxVRKZmxUFC94oYFIqXKdjvfTPFK9OAK1l
- グリサードは特に後から来る足は正面からみてアンディオールしましょう。
- つま先からグリサード
グランジャンプは高さを飛べるにこしたことありませんが、それよりも空中でのつま先がアンディオールして開脚できていると華やかな印象になります。
前に振り上げる足はアンディオールを意識するより、膝頭が上にまっすぐ向く方向性でバットマンしましょう。前足をまっすぐにすることで、後ろ足がアンディオールしやすくなります。
ピケ・アンディオールまたはピケ・アンデダン
https://youtube.com/clip/UgkxIrW_aZ0j0BUlBOQbWJUz9JeAnEoWaaac
回転数に限らず、回ろうとして意気込みすぎると肩があがり首が短くみえたり、パッセの足が内股になったり、回転軸が崩れてしまう原因になります。
- 1回転でも2回転でも軸足が床からまっすぐたち上半身を上に伸ばす感じで軸を回しましょう。
- アームス:両脇の高さが回転しても同じ高さを保ち上半身の引き上げにつなげましょう
バレエのペザントバリエーション、ローザンヌバレエコンクールの動画
バレエの演目でペザントバリエーションはソリストの踊りのため優しいバリエーションではありませんが、なぜかコンクールや発表会では踊りやすいバリエーション演目という認識がされています。
確かに回転系やジャンプはバレエを習って比較的初めのほうで習う基本的なパが多いためそのように解釈されているのでしょう。ただどのバリエーションも簡単ではないので動きがこなれて、自分の踊りにするには自主練は必要です。
また舞台やスタジオで美しく踊れるようになるためにはやはり良い指導者のパーソナルレッスンやバリエーションのための特別クラスで踊りこなしていくことが必要です。