バレエのアラベスクが美しいバレリーナのようになりたいと思いませんか?
ただバレエでは筋肉の柔らかさの度合い、間接のフォームの違いによって見た目のアラベスクポーズがきれいということはあります。ただバレエのレッスンをやっていればいずれ美しいアラベスクができるようになるということではなく、自分の骨格に合わせた上げ方というのを習得することが必要です。
またバレエの先生の指導力やプロのバレエダンサーとしての有無の経験によっても、生徒さんたちのアラベスクの質までも違ってきてしまいます。
間接の組み合わせや、バレエ歴、筋肉の質、運動神経によってアラベスクの足が上がる高さも異なってくるという事実を踏まえたうえで、今回はパリオペラ座で教えているバレエ解剖学を元にアラベスクのコツをいくつか情報公開します。
通信講座をお受けの方はわかりやすい動画サイトもご覧ください⇒
(現役バレリーナ(イギリス・イングリッシュ・ナショナル・バレエ学校卒)による海外バレエ学校で教わる基礎動画教材)
アラベスクを上げるときの骨盤の正しい角度
1番アラベスクを骨盤~上半身をスクエアにして足を上げてみましょう
5番ポジションでたってみましょう。
骨盤は床からまっすぐ垂直にたちます。正面からみると、骨盤~上半身肩までスクエアに保ちます。
そのまま骨盤~上半身をスクエアに保ちながら、後ろ足をタンジュを通し、ゆっくり後ろに足をあげていきます。
足の高さにフォーカス(注目)するとどのようなことが起こりますか?
だいたい 45 度前後でアラベスクを上げる勢いがとまってしまうのではないでしょうか?
この理由は後ほど原因を追究していきましょう♪
まずは足を上げるポイントが重要です。
アラベスクの足が高く上がる方法:骨盤の角度に注目しましょう!
バレエ解剖学上、アラベスクを高く上がるようにするには、骨盤の角度を正面からみてスクエアではなくアンディオールの可動域に応じて骨盤を少し斜めにずらしていくことが必要になります。
モデルをみるとよくわかりますか?
骨盤の位置をずらす角度は生徒さんの骨格や片足軸のバランスがとれる位置によって異なってきます。解剖学を学んでいる経験のある先生に教えて頂いたほうがより自分の骨格にあった角度がわかり、効果的です。
アラベスクが上がらない原因
スクエアのまま足を真後ろにアラベスクに上げる限界があるというのは、「バレエ解剖学的理由」にすでに海外のバレエ学校では知識として座学で生徒さんたちは学んでいます。
アラベスクが上がらない原因⇒<大腿骨軟骨の可動域が狭い>
専門用語になるので、?って思いますよね?
それではわかりやすく説明していきます。
アラベスクするとき、骨盤周辺の筋肉は伸展(しんてん)させる=筋肉を伸ばすことで足が上がります。
この伸展の正常可動域は約 20~45 度前後と言われています。そのため、骨盤~肩まで正面からみてスクエアを保とうとすると、アラベスクは 45 度前後にしか上がらないということになります。
実際にちょっとやってみてください。それほど足は上がらないはず。
とすると、どうやらアラベスクを90度以上あげるにはこの骨盤周辺の筋肉を伸展させるときの可動域に何かしかけがありそうですね💛
大腿骨頭と骨盤を多少動くことができるように、大腿骨軟骨(付け根下のぐりぐりした大きな外側の骨)の可動域を広げていきます。
スクエアのままアラベスクは 45度前後以上上げることは骨格上不可能です。
(これ以上無理に関節に力を加えてあげようとすることもできる人はいますが、私のように長いことその
ような間違った方法でアラベスクを上げること続けていると「股関節変形症」の原因の一つになるので無
理に上げようとしないでくださいね。)
ではどうすればアラベスクを高くあげることができるのか?次の2点を体で修正させるくせをつける必要があります。
アラベスクを上げるために骨盤の傾きを感じよう
① アラベスクを高く上げるための<腰椎のねじれと可動域>
まず初めにアラベスクを高く上げるための<腰椎>の正しい場所を学びましょう。
① アラベスクで役立つ腰椎の場所と意味
腰椎は骨盤の真上に位置します。
役割:
上半身の体重を一気にサポートし、周辺の筋肉の伸縮とともに前後・左
右へ大きく曲がることができます。
腰椎とその周辺の筋肉を曲げて使うことで体のねじりができるようになります。
つまり、①腰椎の筋肉を意識的に縮めます(弓の形に前側に押し出す)
②アラベスク後ろ足を90度以上上げるためのポイント:腰椎をねじれさせよう
アラベゴンドともいわれますが、肩甲骨の下周辺の筋肉~お尻下周辺の筋肉まで少し開き気味に筋肉を伸ばして使います。
こうすることでスクエア時とくらべると、腰椎のねじれにより足を上げるための筋肉の可動域がぐっと広がるようになります。
(腰椎周辺の筋肉を動かすことで、ビジュアル的に「骨盤」がアンディオールに開く、傾くようにみえます。)
つまり腰椎~仙骨周辺の筋肉を意識的にアンディオールする(ビジュアル的に骨盤をアラベゴンドにす
る)ことで、骨盤で組み合わさっている大腿骨の関節と骨盤の箇所の可動域が大きくなるわけです。
まとめ バレエのアラベスクのコツ
① 腰椎周辺の筋肉をアンディオールさせ、ねじれを生じさせる=ビジュアル的に骨盤がアンディオールように見えます。
腰椎周辺の内側(深層)の筋肉を少し体の外側にねじって、わざと回転させてアンディオールさせます。
次に腰椎~骨盤を床に対してできるかぎり平行になるように、骨盤~上半身を斜め前へぐっと傾けます。
背骨の上部=胸椎の役割を利用し、腰椎のうえに連結している骨の組み合わせをの部分を胸椎(きょうつい)周辺の筋肉を、腰椎~骨盤周辺の筋肉を使って床と並行になるように可能な限り前に傾けていきます。
こうすることで最終的にアラベスク後ろ足が90 度以上あがるようになります。
(筋肉は固めないで伸びることを意識して使います。)
仕上げにアラベスクを上げている側の胸椎周辺の筋肉を前側にスクエアになるように徐々にねじれさせることで、上半身のトップは最終的にスクエアなフォームを保てるようになり、結果、安定したアラベスクも出来上がります。
このような解剖学的知識を自分の体にフィットさせながら、そのくらい斜め前へ体を移動させるのか? どのくらい腰椎をねじれさせるのか?他、自分のアンディオールの可動域を理解しながらレッスンをすることで、美しいバレエが踊れるようになります。
見様見真似で癖がついてしまうとやり直しにかなり時間がかかってしまいます。必ずご自分の体を熟知して指導できるバレエの先生に見ていただきましょう💛