フランスの高級リゾート地で地中海に面した南フランスに位置し、毎年カンヌ映画祭で世界的に賑わう観光都市の1つで、1961年に、アメリカ人バレエダンサー、ロゼラ・ハイタワーによってロゼラハイタワーバレエ学校が設立されたのがこのバレエ学校の始まりです。
カンヌにはフランス国立地方高等舞踊学校(コンセルヴァトワール)がないので、この地を選んだとも思われます。
現在はロゼラ・ハイタワー氏が亡くなった後、パリ・オペラ座の元エトワールの モニク・ルディエ-ルさんが学校長となって後を引き継いでいます。
いずれにしても将来プロダンサー、プロのバレリーナになれる才能が認められらた生徒だけがこの学校に入学を許されるのは今も変わっていません。
私自身が留学していた時から、バレエ学校のプログラムも少しずつ変化し、絶えず今のプロのバレエダンサーに求められるタカイクオリティーに合わせた教育が期待されます。
この学校の卒業生は、バレエ団に所属したり、若手のコレオグラフーとして活躍し始めたり、学校の先生として就職したり、舞踊関係の大学へ進学したりといずれにしても踊り関係の道が将来的に開かれています。
フランスではパリ・オペラ座へ入団したダンサーは、例えばエトワールでイタリア人のエレオノーラ・アパニャート、元エトワールでスペイン人のジョゼ・マルティネーズもここの学校出身です。
国際色豊かなバレエ学校としても有名で、フランス人や近隣国のイタリア人、スペイン人、ベルギー人、遠い国からの留学生アメリカ人、日本人、韓国人にも人気な学校です。
サマースクールや短期留学時期のクリスマス休暇、冬休み、春休みの時期を除けば日本人の留学生もそれほど多くなく、クラスもレベル分けになっているので、毎日同じクラスで日本人と練習するという頻度は少ないように感じました。
せっかく留学しているのに、日本でレッスンしているような雰囲気の中でレッスンしても意味ないですからね。
ロゼラハイタワーバレエ学校のユース・バレエ団の詳細とメリット
またこの学校の特徴の一つとして、バレエ学校最終学年のクラスは「ユース・バレエ団」(正式名称:Cannes Jeune Ballet)という位置づけで、年間を通していろいろな場所でパフォーマンスを行います。もちろんユースバレエ団なのでここで、若手の舞台経験が少ないプロのバレエダンサーとして1年の中で舞台経験を積めるのはすごく恵まれた環境です。
振付等も学校のカリキュラムに組み込まれているので、自分だちちで振付し、パフォーマンスを公演できる機会もあります。
そういった作品を発表する、パフォーマンスをする場がたくさん与えられる環境だからこそ、卒業後バレエ団のオーディションに受ける度胸もついているし、舞台経験も経歴にかけるメリットがあります。
またオーディションは西ヨーロッパのバレエ団の公開オーディションの場合、クラシックバレエの1次審査の後に残った人だけコンテンポラリーダンスの振付の短いレパートリーの審査が大抵あります。
そういった時でもすでにバレエ以外の踊りでパフォーマンスしている経験があるため、そういったオーディションにも体が自然と慣れていることがあります。
何も詳しい情報を知らずに日本からバレエ団のオーディションツアーを組んで受けにいくよりもずっと恵まれた環境にいることがうかがえます。
コンテンポラリーダンス系の強いバレエ団やカンパニーの方が、クラシックバレエのバレエ団より数がかなり多いので、やはりバレエ以外の踊りを1年間パフォーマンスできるという機会が与えられているのは、ロゼラハイタワーバレエ学校の恵まれた環境の1つです。