日本ではバレエを教えるのに、特にバレエ教師の認定証など必要ないので、バレエの先生になりたいと思ったらなれます。
ただし、一般シロウトが先生になっても、実力もコネクションもバレエ界における知名度もないので無理な話。
10年、20年前だとバレリーナになる人も今よりずっと少なかったので競争率も少なかったのが幸い、バレエ団を退団してバレエのお教室を開くことも意外と簡単でした。
現在は、海外のバレエ団でバレエ生活を終え日本に帰ってきて、バレエの育成にこれから力を入れようとお教室を開くバレエダンサーも少なくありません。
又、新国立劇場やKバレエ、東京バレエ団等、日本でも有名なバレエ団を結婚を機に退団されるトップのバレリーナの方々たちが、地元でバレエスクールを続々と開いていらっしゃいます。
それに加え、昔から大手のバレエ教室も依然と大きな存在です。
そういうバレエ教室の状況の中、バレエ留学をしてもプロのバレリーナになれなかった人や、アマチュアで小さいときからバレエをずっと続けていた人が果たしてこの先ずっとバレエの先生でいられるでしょうか?
コチラに詳しく書いてありますが、バレリーナの方でもこの先10年、20年後、30年後、バレエの先生で生活費をまかなうだけの収入を得られるかどうか、お教室がずっと存続するか保証はありません。
バレエスクールは東京、東京近郊では毎年増加していますが、バレエの教師は飽和状態になりつつあります。しかも子供の数はどんどん減っています。
いつまで自分がバレエの教えで食べていけるか安心できることはないのが現状です。
そういう時に自分のステータスを証明できるものがあれば、周りの人と差別化ができます。そういう差別化のために海外の公式のバレエ教師の認定証を取得しておいたほう断然有利です。生徒の親からの信頼もよりもらえます。
考えてみてください。もし自分の子どもがバレエを習うとしたら、バレエ団の経験もないただのアマチュア上がりのバレエの先生に子どもを預けたいと思いますか?
バレエの教師過程で習うことはこんな感じ
バレエの教師のディプロムを得るには、誰でも国家の認定証を得られるわけでなく、最初に教師過程に入れるかどうかのレベルチェックオーディションがあります。そのプレセレクションで合格した人だけが、教師過程で学ぶことができます。
イギリスではRAD、フランスではDiplome d’Etat de la danse classique (バレエ教師国家公務員認定証)という認定証になります。
教育課程では、解剖学、音楽、教育学、バレエレッスン、教育実習等があります。全て現地の言葉で行われています。
フランスのバレエ教師のディプロムはフランス国内のみで取得可能
最近は日本でもこのディプロムがとれるバレエ大学もありますが、フランスのディプロムに関しては日本語のコースはフランス政府も文部科学省も一切認めてないので、実際にディプロムが取得できるのはフランス国内で学んで最終の国家試験に合格した人だけがもらえるディプロムです。
バレエ学科がある大学や専門学校では、このフランスのディプロムについてニュアンス的に書かれていて、日本でもとれるような感じに受け取られる文章で書かれていることもありますが、入学してから実際は「ディプロムが取れなかった、タダの認定証だった」と間違えないように注意が必要です。