「ブラック・スワン」を手掛けた、元バレエダンサーで元パリ・オペラ座のディレクターのミルピエさんがまた新しいバレエ映画を製作しました。今度の内容には、パリ・オペラ座内部のくすんだというか、良い言い方をすれば伝統的なフランス人の考え方が浮かび上がってきます。
彼の思想を考慮すると、もし本当にバレエ団に受かってプロのバレリーナやダンサーになりたいという夢を実現させたいのなら、やはりバレエ学校の留学先やバレエ団のオーディション先もすっごく考えたほうがいいです。
バレエ留学や外国のバレエ団のオーディションを受けるときのポイント
自分のテクニックが他と比べて何が抜き出ているか?(バレエのラインは綺麗でできているというのが当たり前のレベル)
- ピルエット系で3回、4回転以上できるか?
- 小さいジャンプ=プティ・パで早いアップテンポな動きができるか?
- 大きなジャンプは人よりジャンプ力もあるか?
- 足が2重関節の人のように上がるのか?
- どのようなテクニック系のダンサーが多いバレエ団(バレエ学校出身)なのか?
- それとも少なくとも女性165cm、男性170~180cm以上の体のラインを求める綺麗系のバレエ団(バレエ学校)なのか?
- アジア人が在籍できているバレエ団(バレエ学校)なのか?
全て上記のテクニック系が身についているほどいいに決まってますよね。そうでない場合も、ライバルには真似できない、自分の強みが何かしらあるといいですよね。
そしてバレエ団のオーディションを受けるときは上記の自分の特徴を踏まえて、どういう人がバレエ団に雇われているのかをHPやネットで名前検索してgoogleで画像検索したり、youtubeでバレエ団の踊りを自分なりに分析したりして、自分の身体的特徴やテクニック面で似ている人が在籍している場合は、そのバレエ団に受かる確率も大きくなりますよね。バレエ団で踊っている人たちは、ディレクターの好みで選ばれているダンサーなんだから!
パリ・オペラ座のバレエ学校とバレエ団の古い考え方
海外のバレエ学校の留学先やバレエ団のオーディションを受けるときの一つのポイントとなればいいと思い、ここに事実を載せておきます。
フランス人は元々愛国心が強い人たちが集まっている国です。外国人、特に日本人に対する差別は今の時代ありませんが、やはり職業となるとフランス人優先という考え方は当然あります。
それに普通の職業でも就職難の時代。大学でたって仕事はありません。アルバイトも学歴と職歴がすでに必要です。職歴がない人は、スタージュ歴(企業で研修生として働くこと)が必要です。そう、即戦力が求められます。バレエ団でもそこ即戦力が求められます。
だからプロとして舞台経験もなく、バレエ学校出で外国人とくれば、当然パリ・オペラ座での雇用は日本人はほとんど皆無といっていいほどですね。
フランス人の間でも伝統的なオペラ座の考え方を新作映画の中でミルピエさんは語っています。彼がディレクターだった時に、オペラ座幹部には驚かれ反発もあった、「ピラミッド階級を破った若いダンサーの起用や、国籍豊かなダンサーの雇用」を実現させた稀有な存在の人です。
この映画でも推測できるように、本当にパリ・オペラ座を留学先のバレエ学校にしていいのか? って思いますね。
バレエ留学業者はそういった個人的な将来のことまでを考えてくれますか?
バレエ教室の先生はそこまで個人の将来について責任もって留学することを手伝ってくれますか?
「ミルピエ ~パリ・オペラ座に挑んだ男~」は12月23日(金・祝)Bunkamuraル・シネマ他にて公開する予定です。