バレエのコンクールで予選落ちしたり、決勝まで進出できなかったり、とにかくあんなに一生懸命がんばったのに目に見える結果が出なかったときってとっても落ち込みますよね。
落ち込み過ぎて、私はバレエの才能がないんだとか、将来プロのバレリーナになれないのかも・・・ってさらにいろんなネガティブなことを考えちゃう人もいると思います。
初めはコンクールに出たいって先生に話しても相手にしてくれかったです。駄目の一点張り。
高校で初めて参加したコンクールは予選落ち。次からのコンクールも入選はかろうじてしましたけど、4位以下のその他大勢いる中の一人でした・・・。
どうして先生は私がコンクールに出ることをダメって言い続けたんだろうか?ってすっごく悩みました。「あなたにバレエの才能がないのよ」とまで言われたんですから。
かなりヒステリーな昔のバレエの先生でした。
日本のバレエ・コンクールのメリット
バレエ・コンクールにむけてバリエーションを踊れるようになるように練習を増やしますよね。
週6日、コンクールに近くなると毎日のレッスン。もちろん、平日は学校が終わってからスタジオでの通常レッスン。そのあとにコンクール組は夜11時近くまで練習してました。
体は疲れるけど、普通にバレエを習っている人よりも練習時間は多い。合によっては個人レッスンにもなるので、練習をすればするほど、嬉しいことに踊りはこなれていき、必ず上達します。
回る技術やジャンプする技術を完成形になるように練習するので、そういうテクニックも上達する。
できるまで何度も練習するから、努力も忍耐力もグッとアップする!
これがバレエのコンクールにでるためのメリットの一つ。何もコンクールで入賞して賞金や留学チャンス、海外のバレエ学校の短期研修に参加できることだけがメリットではないんですよ。
例えばコンクールに出るときは、私の大先生は、バリエーションを踊る前の、舞台に出る時の「歩き方」から注意されますよね。足を延ばして、背筋を伸ばして、軽くスッスッとつま先で歩くかんじ。
ポワントから降りる時もドゥミを通ってガタっとしないように軽やかに踊れるくせをつける練習をする。
こうやって考えるとメリットはいろいろ考えられます。
そういうことを日々続けることで、大人になる18~20歳前後でプロのバレリーナになるべきバレエ体型の体が作られていく要因となります。
(これは残念ながら大人からバレエを始めた人が唯一手に入れることができない事実。)
大きなバレエのコンクールであれば、それをきっかけに海外の有名なバレエ学校へ留学できるきっかけになったりもしますよね。
また将来、プロのダンサーになった時に、コンクールの実績があれば経歴に書くことができます。
バレエ・コンクールのデメリット
私が幼少期からずっと通っていたバレエ教室では基本、コンクールに出場することを良しとしないお教室でした。
どうしてかというと、踊りが「コンクール用」に仕上がってしまうからです。癖のある踊りのことね。
コンクールにお教室の子どもたちをつれて行く時に思うのですが、日本のコンクールはやはり独特。
バレエ団直下のバレエスクールでも日本のプレコンクール(=プロのバレリーナになるためのコンクールレベルに達していないコンクール)に出場するのを禁止している先生もいます。
例えば小林紀子バレエアカデミーではコンクールの色が踊りについてしまからお勧めしていません。
ただし日本のバレエコンクールでも、海外の有名なバレエコンクールと同様に、バレエに必要な要素(アンディオールや体のライン、甲のあるなしや顔の大きさ、音楽性、テクニック、柔軟性等)を審査するようになりつつあります。
出場者の中にはコンクールに入賞することが目的でおけいこするように育てられてしまうお教室もあります。
コンクールでみるといいんだけど、実際のレッスンをみるとそれほどアンディオールで足を上げてなかったり、5番がポジションが甘かったり。基本ができていない生徒さんもいらっしゃいます。
バレエスクールの独特のくせがついてしまっていたり。
バレエ団ではプロ経験のない人を審査する時は、妙に独特なくせをつけている人よりも、くせがなく、これからバレエ団の色に染まって活躍してくれそうな人を選部傾向があります。
バレエのコンクールなんて審査員の各自の「基準」でしかないんですよ。