バレエの足上げに関する専門用語について基本的な名前から解説し、どのような動きをするのか、また足上げに役立つコツ等について解説します。解説するにあたって好みの独断と偏見で選んだお手本動画を見ながら真似すると名前と動きを一致させて覚えることができて初心者の方には特に覚えやすい方法の一つです。足上げキープして高く上げたい人にもお勧めです。
バレエで正しく足を上げるための基礎:方向で名前がきまっている!
バレエの足上げの方向に合わせて名前が決まっています。
右足を上げるか左足を上げるかの違いで、左右で同じ名称がつけられています。
- 前:ドゥバン
- 斜め前:エカルテ・ドゥバン
- 真横:エカルテ
- 斜め後ろ:エカルテ・デリエール
- 後ろ:デリエール
バレエのレッスン中、先生が
ドゥバンに足上げ、つまり前に足上げて!
エカルテ・デリエールに足上げる! つまり斜め後ろに足上げるという意味になります。
また体の方向性以外にも横と後ろの足上げには別の名前もレッスンで聞くことが多いのではないでしょうか?
- 後ろ=デリエール⇒アラベスク
- 横=エカルテ=アラスゴン、アラセゴン
バレエで足をあげる呼び名と方向が分かったところで、足を上げてキープするコツを学びましょう。
バレエの足上げでキープする方法
バレエで足を腰より高く上げて キープする事ができない人も多いのではないでしょうか?または足は高く上がるのですが、内股になっていたり太ももの前側の筋肉ばかりに力が入りがちな人も多いですよね?
完全に太ももの外側、前側を使っていないということは人間の構造上ありえませんが、太ももの外側や前側の筋肉を最優先的に使うことはやはりバレエではNGです。太ももがサッカー選手やラグビーの選手のようにぼこっと太さがかなり目立つようになってしまいます。
中には、手でかかとを持ち上げるとドゥバンやアラセゴンがあがるのに、手を離すと途端に太ももばかりに力が入りがちという生徒さんも多いです。
足を高く上げてキープするための筋肉の場所を知ることでこの問題が解消されます。優先的にその筋肉を自然にレッスンの最中に使えるようになることで足のラインもすっきりと変わってきます。
足を上げでキープするための筋肉の場所を知ってますか?
バレエでアラスゴンドの高さに関わらず、床から脚が離れた位置で脚の高さをキープすることができないという場合、
太もも裏の筋肉が固くなっていてゴムのように伸ばすための筋肉がよく使えていないことが主な原因にもなります。
こういう場合は、ハムストリングを十分にストレッチして、余計な力を極力入れずに上げていくことが望まれます。
筋肉を柔らかくほぐすのはハムストリング~お尻の筋肉まで。
特にバレエをやっている人はお尻の筋肉は知らず知らずに使っているので注意が必要。
ハムストリング~お尻の筋肉を柔らかくリリースするストレッチはいくつかあるのですが、今日はヨガを使ったエクササイズでフランスでもバレエ学校で学んだことがあったエクササイズです。
脚をアンディオールに使うための大元の筋肉、「深層外旋六筋群」=”アンディオール筋”(大腿骨(大転子)~仙骨中心周辺の筋肉で股関節周辺の筋肉を外旋させる機能があります)をリリースできるようになるので、バレエで足を上げるときにはかなり役立つストレッチになります。
自宅でけっこうカンタンにできるのでトライしてみるといいですよ。
バレエで高く足上げキープをできるためのもう一つの改善方法
いまいち太ももの裏側の筋肉、ハムストリングのストレッチしてもちょっと上がりにくいと感じる人の多くは、今まで自己流で何となくレッスンしてきてバレエの難しい技術もそこそこできてしまう人多いです。
またバレエを習い始めで、上半身の引き上げや意識できる自分の引き上げの場所、引き上げ方、アンディオールをするための正しい筋肉を使えていない方に多くみられる現象です。
結論からお伝えすると、難しい技術ができるようになっている生徒さんほど、今までの足の上げ方やキープの癖を修正していくことに時間がかかるということは理解しておきましょう。
足を高く上げてキープするためのアンディオール可動域の確認をしましょう
最初にすることはご自分のアンディオールできる可動域を確かめることです。生徒さんの中にもいらっしゃるのですが、特に床に足を置いたままで横(アラスゴンド)にすると、アンディオールを意識しすぎて完璧に180度開こうとしているのです。
またはゴムバンドで力任せに無理やり足を高く上げてしまっていることもありますよね?
これは後で例えば治らないケガ股関節変形症となり股関節を傷めるだけでなく、バレエのレッスンでも満足に練習できなくなる可能性があるので、まず無理に力で股関節をアンディオールして足を上げようとしないこと。
自分の骨格に応じたターンアウトできる筋肉の角度を見つけよう
フランスのバレエ学校と師範学校で教わる基本知識の1つでもあるのですが、ご存じのようにアンディオールをする筋肉は体の内側の部分にあります。
- その①筋肉の箇所をイメトレや実際にその個所を使う意識をもつこと
- ②①の意識をしながら毎回のレッスンで繰り返し1番ポジション~5番ポジションからバーやセンターレッスンを行う
継続して時間をかけてアンディオールができる筋肉を自由に使えるようになります。この段階で太ももの外側を真っ先に使うようにレッスンしている人ほど修正に長い年月がかかります。
1つの例として次のビジョンを見てください♪
↓下の画像は完璧に股関節周辺が180度開いているわけではありませんが、かなり美しいアンディオールができてますよね?
このように自分の骨格でアンディオール筋を使って外旋できるところまででアンディオールは大丈夫です。
(バレエ上達方法の講座のモデル、サラさん、イングリッシュ・ナショナル・バレエ学校卒業➡スェーデン、元ティボリバレエ団)
もし軸足(左足)の延長線(180度)に右足をアラスゴンドにタンジュしたら緑の矢印方向になるはず。
それが赤矢印の方向にアラスゴンド・タンジュがでています。
(完璧に180度股関節周辺の筋肉がアンディオールしていなくても、ここがマックスでアンディオール筋を使った結果の横タンジュの位置です。)
でているつま先やひざの方向は同じ横方向でつま先が内側にかまあし(バナナ)になってませんよね?
正しくアンディオール筋を使い、つま先の先まで筋肉を使ってアンディオールされています。
自分の骨格にあうアンディオールしたタンジュの位置が足を高く上げてキープする筋肉になります。
前と横の足上げキープ:ドゥバン、アラセゴンで使う主な筋肉
自分のアンディオールの可動域の位置と使う筋肉が分かったら、次のどうやって同じ角度で足上げしてキープできるか?に焦点をあてていきます。
横、アラセゴンの足上げに関しては、フランスのバレエ学校では「正面からみて足裏」が見えるようにあげると教わるのですが、このときにどこの筋肉を主に意識してあげるか?このとき、アンディオール筋から繋がって主にハムストリングを使って足上げキープすることになります。
正確にいうとハムストリングの「起点」周辺の筋肉=お尻の一遍の筋肉とつながっている個所になります。
(ハムストリング=3つの筋肉の集まりから成り立ってます、太もも裏の筋肉の総称で、半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋の3つの筋肉が合わさっています。)
このハムストリングの起点周辺を意識することで足の重さは軽く感じられるというメリットも生まれてきます。
ハムストリングの起点=坐骨結節(ざこつけっせつ)と呼ばれます。
椅子に座ったときに椅子の面にあたるお尻の下の骨、ぐりぐりする箇所になります。
この座骨結節周辺の筋肉を、正面から見てみえるように使おうと筋肉を最優先的に意識しながら最初は45度に横にあげてみてください。
そうすると、以前より正面からみてアラスゴンドのつま先が正面から見えるように変化してませんか?
また足を上げる重さが軽く感じたら正解です。
結果、このように横(アラセゴン)の足上げキープができるようになります💛
前の足上げドゥバンでキープする最優先で意識して使う筋肉は横アラセゴンにキープするときに1番最初に意識するアンディオールの筋肉とその筋肉につながって尾てい骨~ハムストリングを意識する筋肉と同じ個所を動かしていきます。
つま先を手でもってリンバリングしてから手を放して足の高さをキープすると時もアンディオール筋(大転子周辺の筋肉~仙骨周辺)の筋肉を外回りさせることと、アンディオール筋から繋がって尾てい骨~ハムストリングの筋肉を主に使えるようにしていきましょう。
足上げキープのコツ、後ろアラベスクキープするための主要筋肉
後ろのアラベスクの足上げのキープのコツは、前と横上げに必要な主要筋肉と意識する箇所がちょっと違うんです。
同じなのは、①最初にアンディオール筋を使えることです。
②次に、後ろの足上げで最も優先的に意識して使う筋肉はコチラを読んでいただくとわかるとおり、腰周辺の筋肉を柔らかく使えるようにすることです。
足上げキープするための筋トレ方法3つ
柔軟性をつけるための簡単なストレッチ
筋肉が硬いと関節の動きも悪いため、結果足を上げずらかったり、アンディオールをしずらかったり、O脚の足がひどくなったりします。簡単なストレッチでいいので毎日続けることが柔軟性をつけることに繋がります。
一番簡単な方法は正座をして体をうしろに反らせていく運動です。
両足正座がきつい人は、片足正座の形でも大丈夫です。上半身はリラックスをさせながら、全身の力を加えずに床に対して寝る体勢になるとリラックスできます。
痛みを感じる人は、整体や筋肉マッサージや自宅の筋肉マッサージガンで筋肉をやわらかくほぐしましょう。
ピラティスでアンディオールするための筋肉をほぐしましょう
上図のように肩甲骨から足先までを1直線になるように床から上げるようにします。血流も足先から肩へ逆に流れるため、筋肉も温まり柔らかくなります。1分ほど静止しますが、筋肉をギュッと固めるのではなくむしろ足先へずっと伸ばす感覚でいましょう。もちろん呼吸も深呼吸します。
ピラティスはバレエで内側の筋肉を動かすことを感じながら床で手足、上体を動かす運動で、バレエではなかなか使えなかった筋肉も使えるようになり、ただバレエをやるのではなくきれいに無駄な動きをなく自然に踊れるようになるために必要なエクササイズです。
フロアーバレエで足上げキープ筋肉を鍛える方法
最後にフロアーバレエのエクササイズ1つを紹介します。
もっとも簡単で寝ながらできるため、バーレッスンのときのように重力の負荷が足にかかりにくいため、どの筋肉の箇所を具体的に動かすか?感じやすくなります。
https://youtube.com/clip/UgkxqIIF_a19xTFtXZTkWY3X9rns8xHGA5I9
- 床に仰向けに寝ます
- 全身の知っからを抜きます。
- まず仙骨からお尻をとおり大転子周辺の筋肉を意識し、外側に回していきます。
- その状態で片足を床から45度ほどに、今感じている筋肉を使って上げます。
- それがバレエでの足上げキープの時に使う筋肉になります。この方法で前ももの外側を優先的に使うことができ、またどの筋肉を優先的に使うかが具体的に感じることができます。
- 次の段階で、寝たまま今使ったアンディオールの筋肉を意識して、前や横にゆっくり角度を90度、それ以上に上げていきます。
- グランバットマンも床にねたままこのフロアーバーで行えるように毎日行いましょう💛
このように足の上げ方一つにしても筋肉の使い方が違ってきて、今以上にアンディオールの筋肉をつかってあげることが必ずできるようになります。
バレエの足上げに役立つ情報のまとめ
アンディオールの筋肉(特に仙骨周辺~大転子~ハムストリングにかけて)を感じながらレッスンできるようになれば、股関節の骨の組み合わせの可動域が広がるため、本来足上げのための筋肉を意識して使えるようになるため、結果的に足をもっと上げられるように、キープできるような筋肉が育ってきます。
時間はかかりますが、一度足をアンディオールに使いながら足を上げる筋肉の使い方さえマスターすることで、その上にいろいろな正しいテクニックを覚えられるようになれます。海外の有名な国立のバレエ学校ではほとんどこのアンディオールの筋肉を使うことを教えています。
ただ日本ではどこのバレエ教室・バレエ学校に通うかで正しいバレエの筋肉の使い方マスターできるかどうか、その延長で将来プロダンサーになれるかどうかが決まってしまいます。
バレエだけでなく、足をアンディオールに使う筋肉の使い方を早く覚えれば、きれいな形で足が必ずあがるようになります!
ピラティスやバー・アスティエを取り入れ必要な筋肉をつけながら、疲労がたまって筋肉が硬くなったりしないように、アミノ酸のサプリメント等をとるようににして疲労が体に残らないようにすることも重要なので、継続して効果のあるものを積極的に採り入れるようにしましょう。