バレエブームがなって数年がたつけど、ブームも廃れるどころかますます人気な習い事の1つになってます。
いいことだ!
バレエのコンクールも増え、出場者も多くなりました。
コンクールに入賞することより、出場することに意義があるって思う人も増え、ある程度のレベルに達していない人もコンクールで見かけるようになりました。
国内のコンクールでやはりレベルが高く、審査員の方々もプロの方々で公正に判断できる方々がいらっしゃるのは、東京新聞協賛の全国舞踊コンクール、全日本バレエコンクール、埼玉バレエコンクール、神戸バレエコンクール、エデュケーショナルバレエぐらいです。
海外のコンクールでは、ローザンヌコンクール、YAGP ユース・アメリカ・グランプリ 、ジャクソン国際コンクール、ヴァルナコンクールぐらい。
上記の海外のコンクールでジュニア部門の入賞者は、将来的にどこかのバレエ団でプロとして活躍しています。
コンクールに向けて練習も増え、自主連もしなくてはいけないことも学ぶ。
舞台度胸もつくし、舞台に立つ経験もたくさん必要。
コンクール参加することで、同じ年代の子達のレベルも認識できるし、自分がどのくらいのレベルなのかも把握できる。
と、いろいろプラスのこともあります。
バレエコンクールに出場する方法
どのコンクールに出ればいいかは先生と決めることになります。
通常、先生からコンクールの話をもちかけてきます。
もちろん本人の意思も確認します。
一般的に、昔からある権威高いコンクールにでることをお勧めします。
審査員の先生方もバレエ団の方々でバレエのプロ。
世代交代で海外で踊っていて帰国したダンサーの方々もちらほら審査員になっていらっしゃいます。
そういうコンクールの上位者の中には、国内外のバレエ団へ所属する人がいるからです。
レベルの高いコンクールに出て、奨学金として海外のバレエ学校へ(短期)留学できたり、サマースクールの研修ができたりもします。
それだけ将来的にプロとしてやっていけるレベルに達しています!って1つの目安になるのがコンクール。
バレエコンクール参加と上位入賞者の悩み
問題なのが国内のバレエコンクールに幼少期から出場させるバレエ教師。
上位入賞者もプロになることなく、高校を卒業するとバレエをやめてしまったり、バレエをプロとして選ばなかったりする人も少なくないですね。
いわゆる燃えつき症候群が発生していまうのです。
コンクールで入賞することが目的で育てられたジュニアダンサーたち。
コンクールに入賞することだけが目標になってしまった場合、入賞すると次の目標が見えなくなってしまうんです。
「コンクール荒らし」って言われる人たちもいます。数々のコンクーで入賞することだけが全てになってしまって、テクニックだけになってしまう子たち。
コンクールのバリエーションの練習で、ムリに筋肉を使い続けたことが原因で起こる慢性的な痛みやケガ。
本当に残念ですね・・・。
コンクール入賞を目的だけに訓練されてしまうと、実際の舞台で良しとされる「総合的な美しさ」が欠けてしまうんです。
オーディションにはそのような総合的な美しさが必要。
ある程度のテクニックはあって当然。できて当然。それ以外のプラス要素が「個性」なんですよね。
そういう意味で今でもオーディション禁止のバレエスクールもあります。
バレエコンクールと海外のバレエ学校留学の関係
日本でも特にアメリカのバレエコンクールでは、小学生や小学生以下のコンクール部門もありますよね?
それに出場するかしないか・・・。
お教室によっては、お教室の宣伝を考えて、中学生高学年未満のジュニアをコンクールに出すところもあります。
よく考えてください!
昔からあるしっかりとしたバレエスクールでは、そんなことはしてませんよ。
海外のバレエスクールでもそんなことはしてませんよ。
どうしてかって?
バレエとしてプロの経験があったり、バレエの教師の資格をちゃんと持っている人たちはそんなことは勧めません。
体の骨格の発達を考えればそんな危険なことはしません。
将来的にプロのバレリーナとして考えている先生のお教室であれば、コンクールにでるにしても中学生高学年からのところが多いです。
私もフランスでバレエ教師のディプロムをとる過程で勉強しました。
またバレエ留学先の学校でも「体の仕組みと発達」のしくみについて解剖学を勉強しました。
「体の成長時期」にある子供がコンクールの練習等で、ガンガンにバレエを練習することはNGなんです。
骨の成長は個人差もありますが、12,13歳まではしっかりとしていないんです。
成長期途中の足の変形や、自己流の足の使いかたで不要な筋肉をつけてしまったり、幼少期にポワントを履いたのが原因で身長が伸びづらい等マイナス面があります。
だからそういう子が留学のオーディションを受けにいったり、オーディションビデオを送っても合格しないことが多いです。
海外の学校のオーディションでは、まず第一に体の骨格や、アンディオールができているか、身長はある程度高いか等が審査の対象になりますからね。
ピルエットが何回できるとか、足が上がるとか、ジャンプがすごく高くできるとか、そんなことはバレエ学校留学のオーディションではみてないですよ。
フランスでは12歳以下のジュニアにはトーシューズは履かせません。
オペラ座バレエ学校でも同じです。
- コンクールに幼少期からでるよりも、しっかりと基礎の練習をすること。
- アンディオールの筋肉をつけること。
- バレエシューズで軸がぐらつかないピルエットを勢いでなく<バランスで>きれいな形で回れること。
海外のバレエ学校の子供たちはこれを重点的にやってます。
だからポワントで立ったときも、ムリな動きで作られたムダな太い筋肉がついていないんです。
何のためにバレエコンクールにでるのか?
将来バレエのプロになりたければ、コンクールで上位をとるよりも、バリエーションを練習するよりも、基礎が大切です。
プロになるための体作りが大切。アンディオール習得はコンクールでも重要なポイント項目の一つになっています。またアンディオールができていることで高度な難しいテクニックもできるようになります。そのことが分かっているバレエの先生は日本でどのくらいいるのでしょうか?